(ワンダワダ 2008 「天然水晶の誘惑 ~その生成過程について~」 A4)
・「turnstyle」に載っています。
二酸化珪素(SiO2)は、分子配列・結合状態・不純物の違いによって石英・ガラス・水晶・岩石などのさまざまな様態を示す。なかでも水晶は、最も純度が高く、高次な分子構造(3次元網目)を持ちながら、六方晶形の結晶構造を有しており、その規則的な分子構造から圧電効果という稀有な特性を持つ。このため、水晶は水晶振動子や半導体素子などのデバイスとして用いられ、我々の身近な電化製品、たとえばクォーツ時計・パソコン・カメラの中にも使用されている。これらの人工水晶は、工業生産され、日本製がトップシェアを誇る・・・とは言うものの、実は人工水晶のほとんどが、天然水晶を高温高圧下で精製、再結晶させたものに過ぎない(それでも凄い技術には違いないのだが)・・・では天然水晶は、一体どのように形成されてきたのか?本稿は、地球科学・結晶化学・地質学などの各種文献から、天然水晶の生成に関する記述を整理し、拙いながらも試行・総括したものである。