今年は雪が少ないと、以前に書きましたが、2ヶ月ぶりの蓬平はすっかり春本番でした。
例年ならこの時期に摘み取るフキノトウの芽が、すでに成長しきって綿毛の種を飛ばしている状態でした。
でも、ウド、ゼンマイ、ワラビなどの山菜は今がピークで、蓬の里には生命が充ち満ちています。
水を張った水田に春の風が吹き渡り、キラキラと反射しています。
田植えは2週間後とのことです。
いつも養蚕作業でお世話になっている君男さんを探しに、蓬の一番下の棚田まで足を伸ばしました。
本当に絵のように美しい新緑に囲まれた棚田で、君男さんは、一人で作業をされていました。
君男さん自身、「濃いのやら、薄いのやら、赤っぽいのやら色々な『緑』が点在するこの時期の山が一番美しい」とおっしゃっていました。
ちなみに君男さんがこの日行っていたのは、除雪で痛んだ棚田の修復作業です。
所有者が高齢となった棚田はこうした作業が難しいので、代わりに君男さんが行っているそうです。
今回の訪問は、LEDが切れてしまったジオラマの修復作業がメインでしたが、この機会にあわせて繭人形「マユビト」の最後の作業指導として、台座の取付作業の確認もしました。
パッケージの色もみなさんと相談して決定し、マユビト生産はいよいよ最終工程に入りつつあります。
また、CDの真綿カバーもほぼ出来上がっていました。
写真は作業の様子ですが、この日、オーストリア人の研究者のスザンネさんが見学に来られていました。
彼女は芸術祭における伝統文化を活用した地域活性化の事例研究をされているそうで、繭の家と、犬伏の中村敬さんの和紙プロジェクトがテーマだそうです。
成果がまとまった暁には、イギリスの学会で発表する予定だと聞きました。
どんな論文になるか、興味深いところです。
また、この日、グッズ作業にあわせて、マユビトのロゴを応募してくれた子供たちへの表彰式を行いました。
ロゴ採用の琴音ちゃんのほかにも、応募してくれた子供たちにもささやかな参加賞をお渡ししました。
なお、繭の家の今年の開館についてですが、5月末をめどに2階の床の補強工事を行う予定なので、一般公開に対応できるのは、6月中頃以降になります。
見学希望者や取材要請に対応できるよう、できるだけ早急に行いたいと考えています。