■ イリオモテヤマネコ・骨格標本 |
・イリオモテヤマネコは発見当初、今泉吉典博士らによって他のネコ科、化石種との比較研究が行われ、頭骨にいくつかの原始的特徴をもつことがわかりました。
・頭骨を上から見ると、頬弓部幅が狭く、イエネコに比べて細長くなっています。
・歯は上顎第2前臼歯を欠いており、合計28本あります。
・イリオモテヤマネコと歯の数が同数なのは、ウンピョウ、オオヤマネコ、カラカル、マヌルネコ、コドコドなどだけです。
・頭骨下の後頭部に位置する聴胞は、他のネコ科に比べて小さく、その周辺部の後頭傍突起と聴胞との癒着状態、舌下神経孔の位置などにも違いが見られます。
・さらに、犬歯や裂肉歯の構造も異なっています。
・このような形態的特徴は、現生ネコ科の祖先といわれるプセウダイルルスから派生した化石種メタイルルスに似ています。
・原始的な形態をいまだ保つイリオモテヤマネコは、そのため「生きた化石」と呼ばれています。
(西表野生生物保護センター、案内板より)
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