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西宮船坂ビエンナーレ活動記録5

今回の作品は、まともに制作するとかなりの費用がかかります。
しかしながら、制作補助金はほとんどなく、原則、作家側の手弁当で行うビエンナーレなので、
ここはやはり企業さんのお力を借りる必要がありました。

必要機材の中で、最も重要なものの一つが、音響機器です。
こどもたちの歌声が、まるで教室の中から聞こえてくるような仕掛けが必要だからです。
そのような事情を抱える我々に救いの手をさしのべて下さったのが、
神戸市内に本社を置く音響機器メーカーのTOA(株)さんでした。

TOAさんを訪問したのは、6月でした。

・臨場感のある音質の良い音響機器であること。
(通常の協賛による機材提供の場合、1年以上前から予約が必要なので、この秋は機材はすべて出払っている)
・10月下旬から1ヶ月の長期にわたり、機材をお借りしたいこと。
(通常行う機材提供は、仕込み期間も入れて数日以内。1ヶ月は普通あり得ない。)
・スピーカー等の機材は、できれば隠したいこと。
(企業側としては、機材の姿や企業名が隠れてしまっては、協賛する意味がない)

こちらがお願いしたことは、企業側から見れば、とんでもなく勝手な内容でした。
にもかかわらず、担当者のYさんは、「ちょっとお時間をもらえますか」と言って下さり、一緒になって考えて下さいました。

後日Yさんからいただいた提案は以下のようなものでした。
・学校にあっても違和感のない壁掛け式のスピーカーを用意する。
・技術者2人を紹介するので、現場セッティングなど、協力したい。

このような有り難いお返事をいただき、7月上旬に宝塚市内の事業所で打ち合わせを行う運びとなりました。
TOA側は、Yさんのほか、技術者のFさん、その部下のMさん、こちらは私とTeNさん。
Fさんは、自宅でいろいろな日用品をスピーカーに改造してしまうという、ものづくり・音響づくり大好き人間だそうで、
そのような素晴らしい方が現場作業をお手伝いいただける上に、機材もお貸しいただけるとのこと。
こんなに心強いことはありません。TeNさんともども感謝感激でした。

ちなみにTOA宝塚事業所のロビーには、Yさんがプロデュースした、かっこいいサウンドオブジェ(彫刻)がありました。
本社には、実験的な活動で名高いジーベックホールもありますし、
シューベルティアーデ丹波の支援などのメセナ活動も積極的です。
このようにTOAさんは、文化度の高い、素晴らしい企業です。

また、今回、映像のスクリーンについても、株式会社きもと様からディラッドスクリーンの提供をいただきました。
このスクリーンは、後ろ側(リア)から映像を投影するタイプのもので、乳白色です。
ただの曇ガラスとの違いは、斜めからでも投影された映像を見ることができるということです。
細長い廊下に面した教室に投影する作品なので、これも必須でした。
(株)きもと様も、わざわざ船坂まで足を運んでいただき、現場を確認されたうえで、商品のご提供を決定して下さいました。
本当に有り難うございました。