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8/23 ワークショップ 「繭から生糸を引こう」

2008年08月31日 糸巻ストラップ作り

更新が遅れましたが、8/23のワークショップの様子をご報告します。
お陰様で事前に定員も埋まり、当日はとても盛況でした。
(キャンセルもありましたが、キャンセル待ちの方もおられたので、大丈夫でした。)
参加された方は女性が多かったですが、世代は子どもから親子連れ、お年寄りと様々でした。
外国の方を含め、20人余りが参加され、またこの日はツアーが2団体あったので、会場は時折人があふれてしまうくらいでした。
また、2006年から繭の家チームとしてお手伝いいただいている元こへび隊のS石さんも東京からサポートに駆けつけて下さいました。

まず、第1部は、これまで繭の家の活動に大きく貢献して頂いている、集落のMさんです。
Mさんは、映像作品にも登場されている方で、かつて自分で育てた蚕の糸から自らの花嫁衣装を織った方です。
そのMさんが、座繰り機を用いての糸引きを実演して下さいました。
10個くらいの繭から糸を引き出し、巧みに巻き取っていく様子を、参加者は興味深く見入っておられました。

お手本をMさんが行った後、参加者一人一人が座繰り機を廻しました。
とても綺麗な糸が巻上がりました。
懇切丁寧にご説明頂いたMさん、ありがとうございました。

第2部は、私が講師となって、小さな糸巻きのストラップをみんなで制作しました。
これは、以前、座繰り機を使って生糸を引いた時に、この美しい艶の糸をお土産に持って帰れないものかという発想から考えたものです。
ひとつの繭から一つの糸を引き、それを小さな糸巻きに巻き取ります。
単純な作業ですが、繭ひとつをほどき直すことで、このような糸を巻き取れるということと、一本の繭糸の細さ、そして1個の繭の大切さを感じて頂くために、このような内容としました。
具体的には、糸巻きに棒を差し込んで、コップに浮かべた茹で繭から、ひたすらクルクル糸を巻いていくという作業内容です。
ポイントは、糸口を見つける点です。糸口さえみつかれば、あとは比較的簡単です。
30分ほど巻続けていると、シルクの輝きが現れます。

これはストラップの完成品です。ビーズをつけて出来上がり。
これは見本に作ったもので、当日の参加者の様子の撮影は、私自身が忙しくてできませんでした。
でも、ほとんどの皆さんがそれなりに美しいストラップに仕上げておられたので、ほっとしました。
若干時間が短かったのが反省点でしたが・・・。

ともかく、この制作方法では効率が悪いのでグッズ化は難しいでしょうが、繭の性質を知りながらお土産にもできるので、ワークショップには適していると思いました。
既製品のミニ糸巻きの入手方法が不安定な点がネックでしたが、今日、夜間工房ワンダワダさんから、多数のミニ糸巻きを確保したという連絡がありましたので、また続けることが出来そうです。

御支援頂いている関係者の皆様、ありがとうございました。

繭の家で蚕を飼い始めました 4

2008年08月12日 カイコの飼育

8月10日、出来上がった繭の仕分け作業が蓬平の集会所で始まりました。
後ろに吊してあるのが、繭の団地である「まぶし」です。
この写真では写っていませんが、回転する枠にはめ込んで使用します。
蚕は上に登って繭を作る習性があるので、上の方に繭がたくさん出来上がると重くなって回転して、繭が均等にまぶしに広がります。
この日は、これまで世話をして下さった集落の方と農舞台スタッフ、こへび隊の方が作業にあたって下さいました。
みなさん、どうもありがとうございました。
集落の方によれば、今年の繭はやや小粒なものの、良質だということです。

今後は乾燥作業に入ります。
5000個の繭のうち、千個は現在、我が家に届けられ、乾燥させているところです。
たくさんの命がこの作業で奪われるので、とても複雑な気持ちです。
でも日本の山村では、昔から(というか、つい最近まで)この営みで暮らしを支えてきました。
養蚕も、野菜づくりも、畜産も林業もすべて、育てた命をいただくという営みです。
今回はアートのために蚕を育てていますが、いのちのこと、人が生きていくということ、我々の祖父母がどのような思いで繭(絹)という宝物を慈しんできたことなどについて思いを馳せる場になればと思っています。
出来上がった繭も大事に活用したいと思います。

乾燥作業が終わると、繭の家に純白の繭がお目見えします。