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印象に残った作品①

2009年09月16日 大地の芸術祭

今年も様々な新作が話題となった大地の芸術祭。出品者である私自身も、会期中は観客の一人となって、作品巡りをすることが、大きな楽しみでした。(と言っても、あまり多くは見て回っていませんが。)これから何回かに渡って、その中でも印象的だった作品を紹介してみたいと思います。


まずは、今年の話題作の一つだった、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーのストームルーム。

これは日曜美術館でも映像が流れていたので、ご存知の方も多いでしょうが、空き家の2階の1室で、人工の「嵐」を体感する作品です。その部屋にはいると、外は晴れていたはずなのに、室内はうす暗く、窓ガラスには水滴と雨だれが。外からはゴロゴロと雷の音も聞こえます。軒を打つ雨音と、雷の轟きが心地よくリズムを刻み、嵐の強弱もきちんとクライマックスが用意されています。最後は、期待通りのガラガラビッシャーン!ガラスがビリビリビリ・・・。サービス満点で、思わず一人でにやついてしまいました。まるでオーケストラの演奏会のようでもありました。
 ある夏の日の夕立-たとえば、私は少年だった頃から、授業中に窓から見える激しい雨の様子をぼんやり眺めるのが好きだったのですが、そういう一瞬-をまざまざと想起しました。狭い部屋に仕掛けられた人工的な装置と分かっていながら、大きな自然や、自分の過去のある瞬間の感慨を強く感じることができる優れた作品でした。