西宮船坂ビエンナーレ2012 巣立ちの部屋
2012年11月18日
一応ここは繭の家ブログなのですが、地元・兵庫県の西宮船坂ビエンナーレ2012について、ちょっと紹介します。
船坂は、甲子園で有名な西宮市の北部に位置する里山地域です。六甲山系の北側に位置し、標高は400m。阪神間の都会とは別世界ののどかな風景が見られます。この集落で2010年からビエンナーレが開催されています。今年2012年はその第2回で、私は前回に引き続き参加しています。
ビエンナーレ開催のきっかけは、2010年に130年以上の歴史を持つ船坂小学校が過疎化によって閉校となったことです。ちょうどこの時期、同じ西宮市内の武庫川女子大学の藤井先生がアイデアを持ち寄り、この小さな集落での国際展が始まりました。
私は以前から歌手TeNさんとのコラボで、廃校を用いた映像&音楽インスタレーションのアイデアを抱えていたもの、なかなか実現に至っていなかったのですが、なんと自宅から車で30分の船坂で理想の場所が見つかりました。2010年、TeNさんや夜間工房、地元の方々、協賛企業さん、ピアニストやサウンドエンジニアさん、そして船坂のこどもたちの協力で「巣立ちの部屋」というインスタレーション作品を5年生の教室で完成させました。
作品の詳細は、私のホームページもしくは夜間工房HPをご参照下さい。
今年の展示は、11月24日までです。今回は、2012年バージョンということで、また新たに1曲を追加しました。2010年に3,4年生だったこどもたちも、もう5,6年生になりました。背も伸び、声も少し大人に近づきました。TeNさんという素晴らしいコミュニケーターがおられたお陰ですが、私のような者が彼らと2年にわたり交流できたことは、得難い体験でした。
この作品は、私のサイトスペシフィック型のインスタレーションの中でも、とりわけ分かりやすいというか、誰もが自分のこととして受け止めることができる作品だと思います。船坂のような、地域活性化のために行われる現代アート展では、来場者も現代アート慣れしていない方が多いので、このような視点の作品が、イベントの構成上、いくつかは必要です。そのような位置づけの作品を、ビエンナーレ開催のきっかけとなった船坂小学校で作品を展示させていただく機会を得たことは、本当に幸運でした。
2回続けて同じ作品を出品しましたが、おそらく次回は、もうこの作品は観ることはできないと思います。ご興味のある方は、ぜひ船坂へ。