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緑萌ゆる妻有2 まぶし、のぞき穴ほか

2006年05月30日 古民家再生, 夜半の雨音, 空に放つ, 里山の植物, 雲の切れ間から

今回、「まぶし」を現地搬入しました。
これは、LEDを取り付ける前に、4つ並べて壁面に設置したもの。

「まぶし」の裏側からLEDを通します。
夜中までかかって一気に2400個装着しました。
気がつけば、親指に穴が開いていた・・・。

明かりをつけたところ。
実際には、このLEDひとつひとつに繭をかぶせます。
LEDを装着すると重くなってしまったので、今回は壁に設置するのは止めました。
次回は取り付け金具を用意します。

このほか、1階のジオラマを覗き見る「小箱」の現場確認をしました。
スチロール板でサンプルを作り、大きさなどを確かめます。
当初の予定より小さなものになりそうです。
小箱は、正面の細いスリット窓からの光で存在が浮かび上がります。

小箱サンプルのクローズアップ。
ここから下のジオラマを覗き見ることになります。

作業2日目も、こへびのお二人が来てくれました。
この日も床そうじ、柱の釘抜きなどで活躍いただきました。

きれいになった2階の床。
この日から2階は土足禁止になりました。

問題が一つ。
1階の床は、汚れた畳を外して、板の間にしようと考えていますが、床材の継ぎ目に貼られたガムテープを剥がすと、べったりと赤い糊が。
サンドペーパーで削ってもなかなか落ちません。
今度、テープの糊剥がし液をもっていって試してみます。

もうひとつ考えたいのが、屋根裏からでてきた煤竹。
煤をぬぐうと、こんなに美しい飴色の竹になります。
なんとかして内装に使えないかな・・・?

最後にまた植物の写真です。
前回、つくしが茫々だったところは、辺り一面トクサの海に変わっていました。

緑萌ゆる妻有1 土壁のその後

2006年05月29日 古民家再生, 空に放つ, 里山のくらし, 里山の植物

5月27日、28日と妻有を訪れました。
その様子を2回に分けて報告します。

蓬平の里は、まだほんの少し雪も残っていましたが、連休中より、はっきりと緑が濃くなっているのが分かりました。

作品現場の古民家の前庭にも桑の木がありました。
最近まで雪が残っていたせいで、まだまだ葉が小さいです。
でも、養蚕をしていただける方に伺うと、6月上旬に蚕が届いても大丈夫だろうとのことでした。

さて、前回塗った土壁ですが、剥落もせず、きれいに乾いていました。
但し、もともとあった土壁との色の違いは明白でした。
(もともとあった土壁は、すすけて真っ黒なのです)

というわけで、少々もったいないのですが、新しい土壁を黒っぽく塗ることにしました。
今回、お手伝い頂いたのは、こへび隊のSさんとNさんでした。
普段は、それぞれ経済学と美術を学んでいるというお二人ですが、この両日は、きつくてきたない現場仕事をてきぱきとこなしていただきました。
ありがとうございました。

P5280101.jpg

塗りおえた壁面。(翌日になって、乾いたところ)
思いの外、土壁の吸い込みが激しく、途中で塗料(柿渋、墨等)が底をついてしまい、ちょっと中途半端なまま作業を終えました。
濃淡にムラがあるので、もう一度仕上げ塗りが必要かも知れません。

ただし、室内の蛍光灯を消して、本番と同じように窓の光だけにすると、壁の色ムラは全く肉眼では見えません。

お昼ご飯は、近くの絶景ポイントで。
雪囲い塀用の板は、ちょうどよいベンチ代わりになります。
ここの棚田も大変きれいでした。
田は、水が張られ、小さな苗が植えられていました。

斜面の至る所で、緑が芽吹いていました。
天高く昇ろうとする、ぜんまい。

まぶし風桐箱の仕上げ(2,400箇所の穴あけ)

2006年05月20日 夜半の雨音

今日は、作品Aに用いるまぶし(繭を入れる格子)の穴あけ作業を行いました。
LEDを通す穴を格子の一つ一つに開けなければなりません。
またLEDが固定できるよう、穴の寸法もぴったり同じにする必要があります。
結局、ドリルは7ミリだとぎりぎり入らない、7.5ミリだとぶかぶかだったので、
7ミリのドリルをぐりぐり斜めに動かし、こころもち穴を押し広げることとで対応しました。
それにしても2400個の穴をあける作業は、けっこう骨が折れます。

杉、杉、杉・・・

2006年05月17日 雲の切れ間から

ジオラマに植える杉の木(1/500)をぼちぼち制作しなければなりません。
使う材料は、爪楊枝、木工ボンド、それと換気扇用のスポンジテープです。

まず、スポンジテープを立方体に切ります。

切ったものを爪楊枝で突き通します。
はさみでそれらしい形に散髪してやります。

これを突き刺したまま、上下に引きはがすと、
繊維が避けて上手い具合に杉っぽくなります。
あとは濃緑に着色すればできあがり。
これを、1000本ほど作らねばなりません・・・・

GW妻有壁塗りツアー

2006年05月05日 古民家再生, 映像/繭の記憶, 里山のくらし

5月2・3・4日にわたって、古民家の展示空間の整備を行いました。
初日の妻有は、寒かったです。夕方到着時の気温は5度。
翌日搬入される壁土のスペースを確保するため、着いていきなり雪かきをしなければなりませんでした。

本格的な作業は、3日の朝7時半から。
まず、新潟県内の土建屋さんから壁土を搬入してもらいました。
2トントラックいっぱいの土です。(ただし多すぎて余ってしまいました。)

室内作業では、まず枠に「ちりとんぼ」(麻紐を釘で留めたもの。壁の収縮対策)を打ち、石膏ラスボードの壁面に、下地材(プラスター)を塗りつけます。

40平米の壁面に、ひたすら下地+土壁を塗る作業は、大変ハードなものでした。
みんな腕がパンパンになりました。
頃合いを見て古民家のすぐ裏手で、お昼やおやつタイムをとりました。
残雪の棚田がとても美しいところでした。(蓬平集落の隠れた絶景ポイントのひとつです。)

作品C(テグスで吊した繭の連なり)採光用のスリット窓周りの土壁を塗ったところ。
表面は、それらしく藁をまぶしています。
壁ぬり作業は、4日の午前いっぱいかかりました。
時々、となりのおじいちゃんが様子を覗きに来てくれて、ものすごい鏝捌きを披露してくれました。
(みんなで「師匠」とよばせていただきました。)

古民家の外観はこうなっています。
前回まで窓だったところは、細いスリット状の採光窓のみを残し、ふさぎました。
3日、4日と急速に暖かくなり、雪も一気に溶け出しました。

室内内壁はこれでほぼ完成状態です。
細い採光窓を2カ所のみ残しました。

撮影・録音作業も平行して、じっくり行いました。
二人組で集落の各所をまわり、春らしい絵・音を撮りました。
写真は、蓬平集落の雲海の様子。
朝4時半起きした甲斐がありました。
どのような映像が出来上がるか、楽しみです。

最後に春らしい写真を2点。
妻有では、ようやく桜が満開になりつつありました。

これはお弁当を食べた眺望スポットの夕景です。

今回は、本当にたくさんの方にお世話になりました。
みなさん、遠路はるばる有り難うございました。
(ただし、プロジェクトは、これからもまだまだ続きます・・・)