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好きな作品2

2006年10月01日 大地の芸術祭

作品ナンバー208(うちのお隣の作品)で、斎藤美奈子「メモリー-田野倉プロジェクト」。
これも空き家プロジェクトで、茅葺きのいかにも古民家らしい家屋をまるでギャラリーのように美しく整備し、そこに集落のおばあちゃんたちが嫁入りの際に見たであろう風景の写真と、彼女たちの言葉を併置する。

写真とテキストを併置するやり方はよくある手法ながらも、集落のおばあちゃんを丹念に取材し、彼女たちのこころのひだに寄り添うようなまなざしを感じる。なんでもない普通のおばあちゃんの人生だって、立派に感動的な作品になりうること自体が、感動的であり、また、その人生を見守ってきた風土や家が観る者の周囲にあることから生じる説得力がさらに作品を印象的にしていた。
個人的には、当事者たちのポートレイトは敢えて用いず、「彼女たちが見たであろう風景」のみに絞った方が良かったとも思うが、それでも、作者の人間を見るまなざしの暖かさ、写真のクオリティの高さなど、忘れることのできない作品だった。

コメント

これは時間の都合で見れませんでしたが心残りだったのでUPしてもらってうれしいです。
余白がいいですね。
写真とことばは組み合わせると相乗効果がありますね。

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