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繭の家の状況など

2011年06月13日 桑の栽培, 繭人形/マユビト, 里山のごちそう, 里山の植物

ご報告が遅れましたが、5月上旬に蓬平を訪れて、繭の家の状況を確認してきました。
2月の倒壊後、さらに雪が積もったり、震災があったりしたせいで、繭の家の家屋は、まさにぺっちゃんこになっていました。
写真はいろいろ撮りましたが、さすがに、あまり公開する気になれません。
でも、久しぶりに蓬のみなさんにお会いでき、何だか励まされたような気分になりました。
みなさん、ありがとうございます。

家屋は道路側に傾いてつぶれていたので、集落の方にもご心配をおかけしていましたが、5月10日ころから解体作業も始まり、今はもうすっかり更地になっています。
作品はほとんどが家屋もろとも潰れていたそうです。

いまのところ、決まっていることは、養蚕活動と、マユビトづくりの継続です。
6月17日(金)より約50日間、羽田空港国際線ターミナルビル5階の「TOKYO POP TOWN」ゾーンにある
「羽田DESIGN JAPAN CULTURE STORE」にて、名産品リデザインプロジェクトを始めとする大地の芸術祭関連商品が販されることになりましたが、
そこにマユビトも置いていただくそうです。

キヨミさんからそこに納品するために制作しているマユビトの写真を送っていただきました。
外国に方にも買っていただければいいなあと思います。


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桑を切る ほか

2009年11月26日 桑の栽培

大地の芸術祭2009秋版も最終日を迎え、作品の片付けのために現地を訪れました。
最初に立ち寄った農舞台は、「秋版」最終週ということもあって、大盛況でした。
食堂は順番待ちとなっており、昨年の同時期からは考えられない混雑ぶりです。
やはり夏の会期の余韻と、NHKワンダーワンダーの効果と思われます。


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桑畑の様子

2009年09月09日 桑の栽培

古巻です。
先日は、自分のカメラでの撮影に失敗してしまいましたが、
ノブオさんにカメラをお借りして撮影した写真が送られてきたのでご紹介します。

上の写真は8月29日撮影のものです。

下の写真は、4月下旬に集落の方が植えて下さった時の写真ですが、ずいぶん桑畑らしくなったのがよくわかります。

こうして桑の木が成長する姿を見ることができるのはいいものですね。
繭の家を訪れる方の多くは、まだ桑畑まではあまり注意深く観察はされていないようですが、次回また訪れる際には、大きくなった桑の景色に気づいて頂けるんではないでしょうか。
樹を植えるということは、成長するものと共にあることであり、我々にポジティブな力を与えてくれます。
農業や園芸にもそのような効果もあると思います。
また、このような畑をつくりだすことができる、農業に生きる人々のたくましさも尊敬に値します。

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会期終盤の様子

2009年08月30日 桑の栽培

古巻です。少し間が空きましたが、8/28-29に蓬平を訪れました。
いつの間にか現地は涼しくなり、ススキの穂も伸びて、秋の気配が漂っています。
しかし、芸術祭の熱気は相変わらずで、平日でも100人を割り込む日はありません。
土曜日は、ツアーバスなどが来ると、一気に人がどっと来られて、応対もてんてこ舞いです。
自分が居る時は、なるべく自分で作品説明をしようとしています。
もちろん、お客さんの反応を確かめられて楽しいのですが、体力的には結構大変で、当番に入って頂いている集落の方やこへび隊の方のご苦労には頭が下がります。

写真は、桑畑の様子です。
カメラの設定が知らない間に変わっていて、失敗気味です。
しかもこの後電源が切れて、写真を撮れなくなりました。

この2日間は、繭の家の家主であるキヨシさんのお宅に泊めて頂き、晩はおいしい郷土料理とお酒を頂いてしまいました。
朝は5時に起きてキヨシさんと一緒に畑をまわって、いろんな野菜を収穫しました。
奥さんのサチコさんがその野菜を私のためにダンボール詰めにしてくれました。
金曜日は当番に入っておられたマゴベイさんとゆっくりお話ができ、お米をいただきました。
土曜日は、2006年に壁塗りを指導して下さった亡き貞三さんの娘さんのツキコさんが当番に入って下さり、お客さんとその話をしたりしました。
マユビト制作しているキヨミさんのお宅をお邪魔し、コカさん分のマユビトをいただくとともに、電池切れのカメラの代わりにお父さんのノブオさんのカメラを貸して頂きました。
そのあと、芝峠温泉でまた偶然キヨミさん御家族にお会いしました。
キミオさんは選挙で忙しそうでしたが、繭の乾燥作業も並行してあたってくださっています。

そんな感じで、蓬平の方には、もうお世話になりっぱなしです。
駐車場の件や、そもそもプロジェクト運営でいろいろお手間をおかけしているのに、こんなに良くして下さって、申し訳なく思うと同時に、蓬平の皆さんの暖かいお気持ちに、やはり感謝するしかありません・・・。

夜の雨と風で一部の棚田で実り始めたコシヒカリが倒れていました。
この時期に台風が来ないことを祈るばかりです。

本日ハ晴天ナリ!

2009年08月16日 桑の栽培, 蓬平の四季

随分前に梅雨明けが宣言されていましたが、一昨日までずーーーーっと曇ったり雨がふったりですっきりしない天気が続いていました。

盆踊りも雨に見舞われるのではないかと心配しましたが、長かった梅雨がようやく明けて無事盆踊りを行うことができました。

集落の人たちや帰省中の人たちが大きな輪を作って盆踊りを楽しみ、終わりには恒例の大抽選会で大いに盛り上がり、盆踊りは大成功に終わりました。

そして、今日もいい天気。

遅かった夏がようやくやってきました。

盆踊り準備の途中で、テーブルにできた繭を見つけました。

こんなところでも繭となることができる生命の強さをみました。

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桑畑の手入れ

2009年08月06日 桑の栽培


古巻です。蓬のキヨミさんから写真を送って頂きました。
天気がようやく良くなったので、キヨシさんご夫婦が桑畑の草刈りと畝の耕しをして下さったそうです。
地元の人のこうした支えは本当に有り難いです!

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桑畑もだんだんとそれらしく

2009年07月27日 桑の栽培

古巻です。この4月に整備された繭の家の横の桑畑の様子も見てきました。
当初、桑の苗は、搬送された時の保存状態の善し悪しが原因で芽吹きが遅いものもあり、定着するかどうか心配だったのですが、この日確認した限りでは、ほぼ全部芽吹いていました。
まだまだ小さな桑の木ですが、かつてここにあった養蚕風景を想像できるところまで来たと思います。

来場者にも桑畑に気づいてもらいたいので、看板を設置してみました。
しかし、養蚕風景を再現した、なんて言っても、それだけでは不十分です。
ここまで整備したからには、毎年、蚕を育てなければいけません。
蚕を育てるには、繭を売っていかないといけません。
でも、昔のように安価な繭を大量生産するのは難しいです。
なので、アートプロジェクトらしく、アートグッズを生産し、売っていこうとしているわけです。
土地の過去を物語るアート作品と、現代に生きる養蚕とが両輪となって、地域を元気にして、都市と農村の交流の拠点とすることが、この養蚕プロジェクトの目標です。

集落の方は、桑畑の進入路もしっかりコンクリ舗装して下さいました。
もちろん、将来大きくなった桑の木から、軽トラックで伐採した葉っぱを運び出すためです。

床塗り、作品再設置、マユビト撮影ほか

2009年06月15日 古民家再生, 桑の栽培, 空に放つ, 繭人形/マユビト, 里山のごちそう

古巻です。1ヶ月ぶりに蓬平を訪問しました。
こちらでは梅雨に入ったものの、あまり雨が降っていないそうです。
今年は雪が少なかったこともあり、河のない蓬平の米作りに影響が出てくることは確実なようで、たいへん心配です。
この週末もはっきりしない天候でしたが、結局あまりまとまった雨は降りませんでした。
いつもお世話になっているキヨシさんも「自然が相手だから仕方ねえや」と浮かぬ表情でした。

今回の作業は、栃木県から夜間工房のワンダワダさんの応援を得て、床塗りをメインに行いました。
かねてより繭の家の2階の床板がギシギシきしむので補修するべしとの声があり、今回ようやく2階の展示スペース(約70㎡)前面に新たに杉板を敷くことができました。
ただし、新品の杉板のままでは古民家の雰囲気にそぐわないので、今回の床塗り作業となりました。
写真は、墨を床にすりこむワンダワダさん

いつも繭の家の作業を覗きに来てくれる地元の小学生・ミキオくんも作業を手伝ってくれました。
ありがとう。

おかげさまで作業は順調に進み、床は張り替えたのが分からないほどの風合いに仕上がりました。
また、作品C「空に放つ」(再制作分)も同時にセッティングも行いました。
他の作品のスタンバイも行い、いつでも公開可能な状態にこぎつけることが出来ました。
(あとは映像作品用のテレビの修理を待つのみ)
今回は、工事の木くずなどの掃除があったので、ワンダワダさんの助けがあって本当に助かりました。

繭グッズの制作をお願いしているキヨミさんのお宅を訪問しました。
パッケージに入れられて整然と並ぶマユビトを発見。まるでアンドロ軍団みたいです。
ここでキヨミさんにマユビトをいくつかお借りして、作業の合間に撮影を行いました。

繭の家の裏手の里山をバックにこんな感じでマユビトを撮影しました。
この写真は、今後、芸術祭のグッズカタログや繭の家のチラシ用に用いるつもりです。
(単体でもポストカードかポスターにできそうですね。上の方に気の利いたキャッチコピーを入れたりして)

あわせて、繭の家の1階にあった掘り炬燵の台にガラス板をのせて、グッズ等の展示コーナーを設けました。
ガラスを敷いたら、多少は見栄えがよくなりそうです。
繰り返し申しますが、繭グッズの販売は、プロジェクトの行方を左右する大切な事業なので、ぜひとも売れて欲しいと思っています。

この時期、あちこちの桑の木に赤や黒の実がついていました。
桑の実は旬の時期がとても短いです。(1-2週間)
もったいないので、手当たり次第に摘んでは食べていました。おいしかったです。
ワンダワダさんと一緒に宿泊した三省ハウスでは、他の人にもお裾分けしました。

なお、写真はありませんが、今回、繭の家で蓬平の青年会の方と会合をもち、今後、このブログをお手伝いいただけることになりました。
というのも、私だけでは、現地に行ける回数が限られているので、地元の方から現地の日々の情報を発信して頂ければ、このブログもライブ感が出るだろうし、きめ細かい対応もできるのではないかと思ったわけです。
そのうち、現地での普段の動きとか、季節の便り(?)などについて、私以外の方による更新が出てきますが、どうぞよろしくお願いします。
私もこれまでのようなペースで更新をしていくつもりです。

2008シーズン公開に向けて

2008年04月28日 桑の栽培, 蓬平の人々, 里山のくらし, 里山のごちそう, 里山の植物

4月26・27日に今年初めて繭の家を訪れました。
今回の目的は二つ。
一つは、2008年シーズン開幕に向けて、作品の冬の梱包を解くこと。
もう一つは、蓬平地区の震災復興事業の中に位置づけられた繭の家を今後いかにして集落の活性化につなげていくかを考えるワークショップに参加することです。

さて、作品の梱包を解く作業ですが、これはただ単に開封するだけでなく、場合によっては痛んだ箇所を修復する作業をする必要もあり、気が抜けません。
特に昨年の春は、ネズミに食い荒らされて大変だったので、今回もどきどきでしたが、幸い、作品の状態は良好でした。
いつ予約が入っても対応できるよう、スタンバイさせてきました。
(今年は、夏休みは毎日開館ですが、その他の時期は予約制で公開する予定です。
予約はまつだい農舞台まで。)

写真は、繭の家の前にある小さな桜の木。
この地域は、雪が解けるとともに、梅と桜と桃がいっせいに咲きます。

蓬平の住民を対象としたワークショップは、26日の夜8時から集会所で実施しました。
農舞台のO木さん、復興事業の蓬平代表のWさん、元区長の方々はじめ、20名近くの住民の方が参加してくださいました。
私のほうからは「繭の家の今後の方向」と題して、繭の家を地域づくりに生かすプランについて簡単に説明を行い、住民の方から、これまでの良かった点、悪かった点などについて、活発なご意見をいただき、課題を整理しました。
会合は、島根県桜江町が地域興しで生産している桑製品(桑茶、桑の実ジャムなど)を試食しながら、なごやかに進みました。
6月には、同じ新潟県内で繭を使った工芸で地域興しをしている朝日村を視察することが決まりました。

今回の会合で、特に嬉しかったのは、繭の家の横にある空き地に桑を植える話が正式に議題となったことです。
まだ正式に決まったわけではありませんが、「桑園風景」の復活は養蚕プロジェクトが新しい段階に入ることを意味すると思います。
できれは今年植樹できればいいと願っています。
2009年の第4回の大地の芸術祭では、まだおそらく小さな苗でしかありませんが、これを見たお客さんが、3年後に立派に育った桑が風にそよいている景色を想像し、また足を運んでくれるのではないかと・・・
写真は、その空き地です。
(この場所は、これまではゲートボール場として利用していたようです。)
今後、桑の苗の種類や植え方について、専門家の意見を聞いていくつもりです。

また、5月の連休中に農舞台で実施する「里山アート遊園地」の繭の家ブースに繭人形を展示することになりました。
コカさん制作の展示台も、その際に活用させて頂きます。

さて、いつも思うのですが、この季節の越後妻有は最高です。
雪解けとともにあらゆる生命がそれまでの遅れを取り戻すかのように成長します。
写真のショウジョウバカマもそのひとつ。
薄紫や白、ピンクなどの色の可憐な花弁が里山の林床を彩ります。
藤色のカタクリも綺麗です。
また、田んぼや池では黒サンショウウオが産卵をしていました。


しかしながら、この時期、蓬平の人々は大忙しです。

田植えの準備に加え、山菜採りが最盛期を迎えています。
繭の家の大家さんのKさん宅でも、山でとった大量のゼンマイをもみほぐして天日に干す作業に追われていました。
ふきのとうもあちこちで、雑草のごとく一斉に芽吹いています。
ツクシも絨毯のように生えていますが、誰も見向きもしません。

27日のお昼ご飯は、大家さんのKさん宅で山菜料理をいただきました。
いつもKさんの奥さんは、「ありあわせのものしかないよ」と謙遜されますが、とても珍しく、贅沢な郷土料理を出して下さいます。
写真は、ふきのとうの三杯酢、あずきなのごま味噌和え、つりがねにんじんの葉のおひたし、ウドの煮物、野沢菜漬け。このほか、タケノコもいただきました。
とてもおいしかったです。
つりがねにんじんはこの地方以外でも生えているそうですが、
たいていはアクが強くて食用に向きません。
しかし、長い期間雪に埋もれているこの地域では、アクがとれてとてもおいしくなるそうです。
つりがねにんじんに限らず、雪の下に埋もれて生きている野菜は甘みが強くなる傾向があるようです。

3m近くあった雪も、すでにほとんど無くなりました。
春は駆け足で去っていくような気配が漂います。
すぐに短くも暑い夏が訪れるでしょう。