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繭の家の状況など

2011年06月13日 桑の栽培, 繭人形/マユビト, 里山のごちそう, 里山の植物

ご報告が遅れましたが、5月上旬に蓬平を訪れて、繭の家の状況を確認してきました。
2月の倒壊後、さらに雪が積もったり、震災があったりしたせいで、繭の家の家屋は、まさにぺっちゃんこになっていました。
写真はいろいろ撮りましたが、さすがに、あまり公開する気になれません。
でも、久しぶりに蓬のみなさんにお会いでき、何だか励まされたような気分になりました。
みなさん、ありがとうございます。

家屋は道路側に傾いてつぶれていたので、集落の方にもご心配をおかけしていましたが、5月10日ころから解体作業も始まり、今はもうすっかり更地になっています。
作品はほとんどが家屋もろとも潰れていたそうです。

いまのところ、決まっていることは、養蚕活動と、マユビトづくりの継続です。
6月17日(金)より約50日間、羽田空港国際線ターミナルビル5階の「TOKYO POP TOWN」ゾーンにある
「羽田DESIGN JAPAN CULTURE STORE」にて、名産品リデザインプロジェクトを始めとする大地の芸術祭関連商品が販されることになりましたが、
そこにマユビトも置いていただくそうです。

キヨミさんからそこに納品するために制作しているマユビトの写真を送っていただきました。
外国に方にも買っていただければいいなあと思います。


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彼岸の頃 蓬平

2010年03月20日 里山の植物


またキヨミさんから写真を送っていただきました。
蓬平は、まだ積雪が1m50cmはあるそうですが、そんな中、彼岸参りを迎えているそうです。
しかし、春の訪れも確実に近づいているようで、行く途中にふきのとうも顔を出しているそうです。
写真は雪割草です。まだ路地の雪割草は見えませんが、集落の人達は鉢植えにして春の訪れを楽しみにしているとのことです。

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目まぐるしい天気

2009年08月03日 里山の植物

古巻です。夜間工房のツアーで現地を1日半、走り回りました。
もう8月だというのに梅雨が明けない中、天候も目まぐるしく変わりました。
10時に清津川フレッシュパークで集合した時は晴天だったのですが、繭の家に立ち寄った頃には、大雨になってしまいました。

でも、夕方には雨も上がり、すこし夕焼け空も見えました。
写真は、津南町のヒマワリ畑の夕暮れです。

2008シーズン公開に向けて

2008年04月28日 桑の栽培, 蓬平の人々, 里山のくらし, 里山のごちそう, 里山の植物

4月26・27日に今年初めて繭の家を訪れました。
今回の目的は二つ。
一つは、2008年シーズン開幕に向けて、作品の冬の梱包を解くこと。
もう一つは、蓬平地区の震災復興事業の中に位置づけられた繭の家を今後いかにして集落の活性化につなげていくかを考えるワークショップに参加することです。

さて、作品の梱包を解く作業ですが、これはただ単に開封するだけでなく、場合によっては痛んだ箇所を修復する作業をする必要もあり、気が抜けません。
特に昨年の春は、ネズミに食い荒らされて大変だったので、今回もどきどきでしたが、幸い、作品の状態は良好でした。
いつ予約が入っても対応できるよう、スタンバイさせてきました。
(今年は、夏休みは毎日開館ですが、その他の時期は予約制で公開する予定です。
予約はまつだい農舞台まで。)

写真は、繭の家の前にある小さな桜の木。
この地域は、雪が解けるとともに、梅と桜と桃がいっせいに咲きます。

蓬平の住民を対象としたワークショップは、26日の夜8時から集会所で実施しました。
農舞台のO木さん、復興事業の蓬平代表のWさん、元区長の方々はじめ、20名近くの住民の方が参加してくださいました。
私のほうからは「繭の家の今後の方向」と題して、繭の家を地域づくりに生かすプランについて簡単に説明を行い、住民の方から、これまでの良かった点、悪かった点などについて、活発なご意見をいただき、課題を整理しました。
会合は、島根県桜江町が地域興しで生産している桑製品(桑茶、桑の実ジャムなど)を試食しながら、なごやかに進みました。
6月には、同じ新潟県内で繭を使った工芸で地域興しをしている朝日村を視察することが決まりました。

今回の会合で、特に嬉しかったのは、繭の家の横にある空き地に桑を植える話が正式に議題となったことです。
まだ正式に決まったわけではありませんが、「桑園風景」の復活は養蚕プロジェクトが新しい段階に入ることを意味すると思います。
できれは今年植樹できればいいと願っています。
2009年の第4回の大地の芸術祭では、まだおそらく小さな苗でしかありませんが、これを見たお客さんが、3年後に立派に育った桑が風にそよいている景色を想像し、また足を運んでくれるのではないかと・・・
写真は、その空き地です。
(この場所は、これまではゲートボール場として利用していたようです。)
今後、桑の苗の種類や植え方について、専門家の意見を聞いていくつもりです。

また、5月の連休中に農舞台で実施する「里山アート遊園地」の繭の家ブースに繭人形を展示することになりました。
コカさん制作の展示台も、その際に活用させて頂きます。

さて、いつも思うのですが、この季節の越後妻有は最高です。
雪解けとともにあらゆる生命がそれまでの遅れを取り戻すかのように成長します。
写真のショウジョウバカマもそのひとつ。
薄紫や白、ピンクなどの色の可憐な花弁が里山の林床を彩ります。
藤色のカタクリも綺麗です。
また、田んぼや池では黒サンショウウオが産卵をしていました。


しかしながら、この時期、蓬平の人々は大忙しです。

田植えの準備に加え、山菜採りが最盛期を迎えています。
繭の家の大家さんのKさん宅でも、山でとった大量のゼンマイをもみほぐして天日に干す作業に追われていました。
ふきのとうもあちこちで、雑草のごとく一斉に芽吹いています。
ツクシも絨毯のように生えていますが、誰も見向きもしません。

27日のお昼ご飯は、大家さんのKさん宅で山菜料理をいただきました。
いつもKさんの奥さんは、「ありあわせのものしかないよ」と謙遜されますが、とても珍しく、贅沢な郷土料理を出して下さいます。
写真は、ふきのとうの三杯酢、あずきなのごま味噌和え、つりがねにんじんの葉のおひたし、ウドの煮物、野沢菜漬け。このほか、タケノコもいただきました。
とてもおいしかったです。
つりがねにんじんはこの地方以外でも生えているそうですが、
たいていはアクが強くて食用に向きません。
しかし、長い期間雪に埋もれているこの地域では、アクがとれてとてもおいしくなるそうです。
つりがねにんじんに限らず、雪の下に埋もれて生きている野菜は甘みが強くなる傾向があるようです。

3m近くあった雪も、すでにほとんど無くなりました。
春は駆け足で去っていくような気配が漂います。
すぐに短くも暑い夏が訪れるでしょう。

妻有夏色

2007年08月11日 繭人形/マユビト, 繭人形作り, 里山の植物

この夏、はじめて妻有に行きました。
蓬平の集落は昨年夏と何も変わることなく、お盆の時期を迎えていました。
通年の作品公開をはじめて4ヶ月、さすがに夏本番を迎えると昨年並みとはいえませんが、そこそこお客さんも来るようになって山里もすこし賑やかです。

この日8月11日は、繭の家を会場に「繭人形を作ろう」というワークショップをしました。
何人集まるか不安でしたが、集落の方も含めて30人近くの参加があり、たいへん賑やかでした。
今回はいつも手伝ってくれてきたこへびのS石さん、昨年夏の開幕前に夜遅くまで制作サポートをして下さったY口さんのほか、集落の若い男性(蓬平青年会)の方も参加して下さいました。
これまでは年配の方の参加が中心だったのですが、若い方も一緒に取り組んで下さることになり、たいへん心強いです。

昨年末に亡くなったお隣のおじいさん(Tさん)が、昨年夏に育てて下さったヒマワリが,また今年も同じ場所に咲きそろいました。
(ヒマワリが宿根なのか、種が落ちたのか、どちらなのかはわかりません。)
これは繭の家に面した自宅の一角を芸術祭のために花で飾ってくださったものです。
ひまわりの高さはちょうど人の背格好と似ていますので、どうしてもTさんのことを思い出してしまいます。

ジオラマ成形作業と蚕の世話1

2006年06月20日 里山の植物, 雲の切れ間から

今回の作業は、関西からコカさんヒゲさん、キリエさんが同行してくれました。
朝7時に神戸を出発し、現地入りしたのは16時過でした。
着いてからいきなり、こへび隊と一緒に廃材のトラック積み込み作業をしていただきました。

今回の作業の中心は、先週運び込んだジオラマの成形作業です。
発泡スチロールの積層そのままの姿も魅力的ですが、最終的に雪に覆われたイメージにするので、
積層の角をカットして、なだらかにしなくてはなりません。
まずは、表面に残る地図を剥がすことから作業をはじめました。

用意した電熱カッターの調子が悪く、作業は難航しましたが、
夜12時頃にはぜんたいの角をカットできました。
関西組の皆さん、お疲れのところ本当に夜遅くまでありがとうございました。

2日目は、朝からペーパーがけの作業を一人で行いました。
途中、粉塵処理用の掃除機が、突然青い煙をあげて故障して焦りましたが、なんとか夕方にはぜんたいをなだらかにすることが出来ました。

2日目の晩から3日目にかけてジオラマにLEDを配線して、点灯させてみました。
集落の形がこれでよくわかります。
明かり一つ一つが集落の家々です。
本番はこれにさらに真綿を敷き、LEDには繭をかぶせるので、まだまだ完成ではありませんが、なんとなくイメージした形に近づいてくるのが分かりました。
ベースを製作してくれたO-noliさんに感謝。

現場の古民家前の桑の葉も大きくなりました。いつの間にか傍らに綺麗な花も咲いています。

緑萌ゆる妻有2 まぶし、のぞき穴ほか

2006年05月30日 古民家再生, 夜半の雨音, 空に放つ, 里山の植物, 雲の切れ間から

今回、「まぶし」を現地搬入しました。
これは、LEDを取り付ける前に、4つ並べて壁面に設置したもの。

「まぶし」の裏側からLEDを通します。
夜中までかかって一気に2400個装着しました。
気がつけば、親指に穴が開いていた・・・。

明かりをつけたところ。
実際には、このLEDひとつひとつに繭をかぶせます。
LEDを装着すると重くなってしまったので、今回は壁に設置するのは止めました。
次回は取り付け金具を用意します。

このほか、1階のジオラマを覗き見る「小箱」の現場確認をしました。
スチロール板でサンプルを作り、大きさなどを確かめます。
当初の予定より小さなものになりそうです。
小箱は、正面の細いスリット窓からの光で存在が浮かび上がります。

小箱サンプルのクローズアップ。
ここから下のジオラマを覗き見ることになります。

作業2日目も、こへびのお二人が来てくれました。
この日も床そうじ、柱の釘抜きなどで活躍いただきました。

きれいになった2階の床。
この日から2階は土足禁止になりました。

問題が一つ。
1階の床は、汚れた畳を外して、板の間にしようと考えていますが、床材の継ぎ目に貼られたガムテープを剥がすと、べったりと赤い糊が。
サンドペーパーで削ってもなかなか落ちません。
今度、テープの糊剥がし液をもっていって試してみます。

もうひとつ考えたいのが、屋根裏からでてきた煤竹。
煤をぬぐうと、こんなに美しい飴色の竹になります。
なんとかして内装に使えないかな・・・?

最後にまた植物の写真です。
前回、つくしが茫々だったところは、辺り一面トクサの海に変わっていました。

緑萌ゆる妻有1 土壁のその後

2006年05月29日 古民家再生, 空に放つ, 里山のくらし, 里山の植物

5月27日、28日と妻有を訪れました。
その様子を2回に分けて報告します。

蓬平の里は、まだほんの少し雪も残っていましたが、連休中より、はっきりと緑が濃くなっているのが分かりました。

作品現場の古民家の前庭にも桑の木がありました。
最近まで雪が残っていたせいで、まだまだ葉が小さいです。
でも、養蚕をしていただける方に伺うと、6月上旬に蚕が届いても大丈夫だろうとのことでした。

さて、前回塗った土壁ですが、剥落もせず、きれいに乾いていました。
但し、もともとあった土壁との色の違いは明白でした。
(もともとあった土壁は、すすけて真っ黒なのです)

というわけで、少々もったいないのですが、新しい土壁を黒っぽく塗ることにしました。
今回、お手伝い頂いたのは、こへび隊のSさんとNさんでした。
普段は、それぞれ経済学と美術を学んでいるというお二人ですが、この両日は、きつくてきたない現場仕事をてきぱきとこなしていただきました。
ありがとうございました。

P5280101.jpg

塗りおえた壁面。(翌日になって、乾いたところ)
思いの外、土壁の吸い込みが激しく、途中で塗料(柿渋、墨等)が底をついてしまい、ちょっと中途半端なまま作業を終えました。
濃淡にムラがあるので、もう一度仕上げ塗りが必要かも知れません。

ただし、室内の蛍光灯を消して、本番と同じように窓の光だけにすると、壁の色ムラは全く肉眼では見えません。

お昼ご飯は、近くの絶景ポイントで。
雪囲い塀用の板は、ちょうどよいベンチ代わりになります。
ここの棚田も大変きれいでした。
田は、水が張られ、小さな苗が植えられていました。

斜面の至る所で、緑が芽吹いていました。
天高く昇ろうとする、ぜんまい。