オイトリ
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「鳥追いの唄」
おらうらの わせだのいねを なにどりがまくらった
すずめどりがまくらった
なんでもっておってった
くわのぼうでおってった
どこまでおってった
さどまでおってった
さどがしま やあや
えんやこりゃ ほーい ほい
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・里山の鳥は、農作物を食べる害鳥のようにもみえるが、害虫を食べてくれる益鳥でもある。鳥追いはあくまで行事として行っている。
・伝統的な行事は、既に意味がよくわからなかったり、科学的根拠が乏しかったりする。しかし、形式ばった行事を毎年必ずすることによって、心を躁にしてくれる働きがある。それだけで、充分する価値があるし、行事の前のワクワク感がたまらないと思っている。
・「繭の家」にすむマユノ一家の次男で末っ子。ちなみに「マユノ」は屋号。
・まだ幼いので、毛の色は目立たないグレー。いずれはウグイス色に生え変わる。
・時々、鳥と間違われて子供たちに追いかけまわされて、べそをかく。偉そうなことを考えても、所詮はまだ子供、うたれ弱い。
・おばあちゃん子で甘えん坊。閉所恐怖症の逆で、暗くて狭い場所が落ち着くようだ。
・お気に入りの真綿を、常に持ち歩いている。それがないと落ち着かない。
・子供らしく甲虫が好きで、夏はカブトムシやクワガタムシを追いかけている。
・カブトムシやクワガタムシの幼虫は腐葉土や朽木を食べて分解し、林の保水力を高めている。里山になくてはならない存在である。捕まえても、後で逃がしてあげている。
・ボランティアを使ってまで雑木を刈って針葉樹を植林することにいきどおっている。雑木のほうが森に再生するのが早いし、すむ生き物の数も多くなるし、動物のエサとなる実もつける。エサがあれば動物も人里におりてくることもないし、クマやイノシシが人間に撃ち殺されることもない。
・昆虫を逃がすのも、動物をかばうのも、「死んだら消えて無くなるかもしれない」という恐怖ゆえ。
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