大地の芸術祭も最終日を迎えました。
午前中は良い天気でしたが、午後は生憎の雨となってしまいました。
しかし、最終日も約260名の多くの皆さんからお越し頂きました。
閉館時間の近くになっても見に来られる方が後を絶ちませんでした。
多くの方からお越し頂きありがとうございました。
そして、古巻さん+夜間工房のみなさん、繭の家に関わった集落の皆さんとこへび隊のみなさん、大変お疲れ様でした。
10/3から11/23の間、「繭の家」は土日祝日のみですが、開館します。
この写真の物体が「わたこ」です。
「わたこ」
繭を伸ばした真綿からできている防寒具。
肩掛けのようにして用いる。
真綿は保湿性が大変優れている。
こんな風に身に着けてコタツに入るんですよ。
亀の甲羅みたいでしょ?
今日もマユビトたちは大勢の方々に購入していただきました。
8月22日の繭の家受付嬢のタマエです。
なんと!276名もおこしいただきました。
皆様ありがとうございます。
東京からおこしの二人組み。
マユビトかまえてチーズ!
ちなみにこちらは真綿で作った「わたこ」です。
画像がぶれぶれなのはオバサマなので許してくださいね。
古巻です。当番に入られているキヨミさんからまた写真と情報をいただいたので、ご紹介します。
8月9日は1日でお客さんが172人あったそうです。
この数字は芸術祭のメインの施設と比べると少ないですが、繭の家では昨年と比べると、これは会期終盤の駆け込み来場者で賑わった頃に近い数字です。
今年の大地の芸術祭は、どうやらこれまでにないハイペースでお客さんが来場しているみたいです。
いずれにせよ、山里の一軒家の作品展示にこれだけの方が来て下さるのは、有り難いことです。
写真は、以前にも繭の家に来て下さったというお客さんです。
マユビトも買って下さり、有り難うございます!
新作も見切れないほどの数がある中で、リピートしてお越し下さる方がおられるのは、大変嬉しいですね。
昨年の今頃はと言えば、ちょうど繭の家の最初の大掃除をしていた時期でした。
あれから1年たって、妻有はもとの静けさに包まれています。
ただ、昨年と違うことは、繭の家が整備されて、今もなお公開されていることです。
11月4日、5日に会期中運営に当たった「繭の家チーム」で久しぶりに蓬平を訪問しました。
窓から見える山並みは、すっかり紅葉に包まれています。
現在、土日は作品公開をしていますが、夏の会期中ほどには人は来ません。
久しぶりに当番しましたが、ちょうどよいくらいのペースで来場者がありました。
(逆に会期中は、しゃべり疲れてぐったりするほど人が来た・・・)
今の時期、ここに来るお客さんは、首都圏と県内がそれぞれ半々というところ。
初めて来る人よりも会期中見残したと言う人が多く来ていました。
今の時期はとっても空いているので、絶対お得です!
秋になって、会場にはコタツが登場。
TVモニターもちょっと小さくなりました。
夜は、蓬平集落の主だった方と一緒に宴会でした。
みなさん変わらずお元気そうで何よりでした。
今後とも交流を続けていけたらと願っています。
この季節、すでに稲刈りは終わり、しろかきも済みましたが、雪が降る前に野菜の収穫を終えなければいけません。
写真は、繭の家のすぐ裏手の畑での野沢菜の刈り取り風景。
区長さんのご家族が朝から1日かけて収穫しています。
この日の夕方にはこの野沢菜は大きな容器に入れられて塩漬けになりました。
ほかにも里芋の収穫、大根を干す作業に追われていました。
まさに大地とともに、季節とともに生きる生活です。
開幕直後の繭の家。この頃はまだ、お客さんもあまり多くはなく、のんびりしていました。
奥で座っておられるのは、今回の養蚕プロジェクトで一番お世話になったご両人。
蓬平集落の区長さんと元議員の君男さん。
手前の受付机の脇には、集落の方が持ってきてくれた山百合が。
その向こうのちゃぶ台には、松之山の薬草バーからいただいた「桑酒」が。
会期中の午後は、ほぼ毎日のように集落のお母さんが会場当番に来て頂きました。
お母さんたちは、会場でお茶を沸かして、お客さんを冷茶やおつけものでもてなしてくれます。
これがお客さんには大好評。
また、お母さんたちの多くは養蚕経験者なので、お客さんに対して養蚕にまつわるお話もしてくれます。
こうして映像作品とも相まって、繭の家の1階は、生きたエコ・ミュージアムとなったのです。
床に繭を敷いているのも、地元の人のアイデア。
実はぼくが繭を大きなカゴに入れて飾っていたところ、
「そんなことしちゃ、湿気てしまうわよ、床に広げなくちゃ」とのことで、
こんな状態になりました。
そして会期終了まで、このままでの展示となりました。
しかし、結構この繭が匂いました。
繭の乾燥が不十分だったため、タンパク質特有の臭気が会場にほのかに漂います。
こうして繭の家は、視覚・聴覚・触覚に加えて臭覚にも訴えるアートとなりました。
奥にあるのは、繭のケバ取り機です。
養蚕や織りの道具も集落の方が持ち寄ってくださいました。
壁面の「まぶし」は、蚕の「入居率」が高かったものを区長さんがとっておいてくれたもの。
「きれいだから飾りゃいいと思って」とは、区長さんの弁。
白い壁は、地元産の井沢和紙です。
その翌週、会場に「回転まぶし」がつり下げられていました。
これは、蚕が上へ登る習性を利用して、均等に蚕が繭を作るようにする道具です。
蚕が上に固まって繭を張ると、その重みで回転し、新たな蚕は上方の空いた箇所に登っていくというスグレモノです。
そのようなお話を集落の方が、お客さん相手にしてくれるのが、日常風景となりました。
お花も切らせることなく、いつも綺麗に集落の花が生けられていました。
手前にさりげなく置いているのは、アーティストグッズである、CD「桑の葉を揺らす雨」。
2階の作品から流れてくる「1万匹の蚕が桑を食べる音」や、集落内の雪解けの音、鳥の声などが
蓬平産の真綿のカバーで包まれています。
結構好評で、ほぼ全て売り切れてしまいました。
(といっても、超家内制手工業で生産していたので、出荷数は80枚程度でしかありませんでしたが)
休憩コーナーに置いたコカ氏作の繭人形と、観察帳。
繭人形は、とても人気があって、これ売ってないのですかという質問が多かったです。
会期終盤には、お隣のおじいさんがこへび隊にあてた歌を色紙に書いて持ってきて下さいました。
全ての作業は、開幕前日である22日のお昼頃には終えることが出来ました。
この日は、2時から集落の方を招待しての、ささやかなパーティーを催しました。
イノマキさんの映像もぎりぎりで間に合い、めでたく試写が出来ました。
とっても素敵な映像に仕上がっていて、感謝感激。
乾杯!
本当にいろいろな方にお世話になりました。
遠方から何度も駆けつけてくれた夜間工房の面々、養蚕という大変な作業をしていただいた集落の皆さん、巨大なジオラマを制作してくれたO-noliさん、蓬に魅了されて、何度も撮影に来てくれたイノマキさん、途中からチームに加わってくれて、このパーティーを段取りしてくれたこへびの重石さん、そして当初から集落と事務局と作家との間に立って、プロジェクトを牽引してくれた大木さん、その他多くの皆さん、ありがとうございました。
いよいよ開幕前の最後の1週間に突入しました。
7月15日-17日までの前半は、アマルナケンさんとノザケンさんの強力なサポートがありました。
こへびのSさんも加わって、とにかく家を仕上げにかかります。
写真は、天井を墨で塗る両ケン氏と和紙の壁貼りの下地を塗布するSさん。
いろいろあって、ニューヨーク在住のアメリカ系フィリピン人のルイスさんも和紙貼りなどを手伝ってくれました。
ルイスさんは、いろんな賞を受賞されている詩人とのこと。
両ケン氏が、一気に土間もやってしまいます。
砂利を敷いた上に、土壁塗りであまった土と下地塗り剤とを混ぜたものを塗って、
そこらにあった石を踏み石にしてくれました。すごいぜ!
ぼくはこの間、ジオラマの仕上げを並行して行っていました。
表面には先週みんなでつくった真綿を貼り合わせています。
(この前の晩、真綿の縁のカット作業を両ケン氏とSさんにしていただきましたが、真綿はカットが本当に大変でした)
天井塗り、壁塗りも終わったので、ついに畳を敷くことが出来ました。
こうすると人が住めそうな部屋になるから不思議です。
両ケン氏とSさんは、ここで作業終了。
本当にお疲れ様の3日間でした。
なお、本当に修羅場だったこの前の晩の「2400個の蚕からサナギを取り出す作業」については、
写真を撮る心の余裕が無く、紹介することは出来ませんが、
夜中までお手伝いいただいた皆さん、ほんとうに有り難うございました。