ネットで見かけた「繭の家」の動画です。
開幕の朝。
映像用モニターのマニュアルを書くイノマキさん。
このあと、ぼくはばたばたと十日町での開幕式に出席しましたが、カメラを持っていくのを忘れ、その様子は残念ながら紹介できません。
(奥に見えるモニターとDVDプレーヤーは松下電器産業(株)様からお借りしています。)
開会式に出席していた海外招待客の一行が、早速立ち寄ってくれて、びっくり!!
お客さんはひっきりなしに来られます。
こんな里山の一軒家なのに、今まで都会で発表していたとき以上に人が訪れます。
なお、土間はなかなか乾きませんでしたが、なんとかこのとおり、いい感じに完成しました。
さて、肝心の作品を紹介しましょう。
まずは、作品A「夜半の雨音」。
大箱から、この夏イノマキさんが集会所で録音してくれた「蚕が桑の葉を食べる音」が流れます。
その音に合わせて、背後の「まぶし」に入った2400個の繭が明滅します。
明かりは2系統あって、互い違いに並べているため、明滅のずれがあり、光る様子が市松模様に見えるときも。
天井や梁が、このオレンジ色に照らし出されて、美しいです。
作品B「雲の切れ間から」の小箱。
大箱と対をなします。
小箱を開けたところ。
なんだ、これは。
中を覗くことが出来ますが、ここでは紹介は出来ません。写真ではうまく撮れないのです。
意外と人気がある作品C「空に放つ」。
夜中まで一緒に吊してくれたYさん、ありがとう。
「繭の家」の看板を集落の方に書いて頂きました。
こどもたちもはしゃいでいます。
看板がついた「繭の家」。手前にある黄色いサインが目印です。
今回、「まぶし」を現地搬入しました。
これは、LEDを取り付ける前に、4つ並べて壁面に設置したもの。
「まぶし」の裏側からLEDを通します。
夜中までかかって一気に2400個装着しました。
気がつけば、親指に穴が開いていた・・・。
明かりをつけたところ。
実際には、このLEDひとつひとつに繭をかぶせます。
LEDを装着すると重くなってしまったので、今回は壁に設置するのは止めました。
次回は取り付け金具を用意します。
このほか、1階のジオラマを覗き見る「小箱」の現場確認をしました。
スチロール板でサンプルを作り、大きさなどを確かめます。
当初の予定より小さなものになりそうです。
小箱は、正面の細いスリット窓からの光で存在が浮かび上がります。
小箱サンプルのクローズアップ。
ここから下のジオラマを覗き見ることになります。
作業2日目も、こへびのお二人が来てくれました。
この日も床そうじ、柱の釘抜きなどで活躍いただきました。
きれいになった2階の床。
この日から2階は土足禁止になりました。
問題が一つ。
1階の床は、汚れた畳を外して、板の間にしようと考えていますが、床材の継ぎ目に貼られたガムテープを剥がすと、べったりと赤い糊が。
サンドペーパーで削ってもなかなか落ちません。
今度、テープの糊剥がし液をもっていって試してみます。
もうひとつ考えたいのが、屋根裏からでてきた煤竹。
煤をぬぐうと、こんなに美しい飴色の竹になります。
なんとかして内装に使えないかな・・・?
最後にまた植物の写真です。
前回、つくしが茫々だったところは、辺り一面トクサの海に変わっていました。
大箱の改造も、そろそろ終わりに近づきましたので、ご紹介します。
大箱の内部は、こんな感じになりました。
本体に仕込んだ5本の蛍光灯の光で乳白色のアクリル板が目映く輝きます。
上蓋の内側にはミラーを張り、同時に小型の蛍光灯を6本取り付けています。
(ミラーは保護のため、緑色のビニールを剥がさずにおいています。)
今後は、白いアクリルの上層にさらに5mm厚の磨りガラスを重ねて完成ですが、ガラスは輸送が危ないので、現地で購入するつもりです。
大箱の内部は、実は蚕に関わる様々なモノのケースでもあります。
繭、真綿、紬、絹、糸、キモノ。
こうしたものを今後、集落の各戸を回って、お話を聞きながら提供頂き、この白い空間に置こうと考えています。
大箱は、メタモルフォーゼのためのブラックボックスです。
写真は、蓋を開ける前の状態です。
光が漏れている穴から、例の蚕の音が聞こえる仕掛けとなっています。
あとは背景の壁に、光る繭を2400個並べます。
大箱の蓋には油を塗っているので、背景の光を反射するだろうと思います。
(それにしても、汚いアトリエの様子がまるわかりです・・・)
大箱は、箱を閉じた状態で中から「蚕が桑を食む音(=雨の音)」が聞こえる仕掛けを施します。
要するに、スピーカーを内蔵するのですが、蓋を開けると音がぴたりと止むようにしなければなりません。
そのため大箱の内部を一部をくり抜き、スイッチを作りました。
これは蓋が開いている状態で、バネ(手製)の力で電極が上に跳ね上がり、OFFになっています。
かなりローテクです。
これは、蓋が閉まった状態。
上から押されて、電極がつながります。
このコードは、アンプ付きスピーカーの電源コード(ACアダプタ)で、通電すると、MDから入力している音が流れます。
最終的には、鑑賞者が誤って触れて感電しないよう、側面にも蓋をします。
今日は、スピーカー設置のための穴あけ作業もしました。
箱の内部の4カ所に設置するスピーカーの音が外に聞こえるよう、ドリルで直径4ミリの穴を側面に開けました。
メインのスピーカーは、ちょっと奮発(?)して、ボーズを買いました。
うまく響いてくれるといいのですが。