キヨミさんから写真を送っていただきました。
蚕のうち、早いものは糸を吐き、繭を作りはじめています。
7月18日はキミオさんとまごべいさんが糸を吐き始めてうろうろしている蚕を選び出し、
写真のように回転まぶしにつける作業をして下さいました。
今後は、昔ながらの藁まぶしにもつけてくださるそうです。
皆様、おつかれさまです。
これは紹介が送れましたが、7/24頃のまぶしの様子です。
そうそう、まぶしというのは、見てのとおり、蚕が繭をつくるベッドというか、団地のような仕切りのことです。
このようにまぶしをたくさん組んで、さらにおおきな団地のようになっています。
主に蚕を育てて下さったキミオさんによれば、今年の繭は大きいそうです。
(あまり大きいとマユビトのケースに収まらない場合もありますが・・・)
いつもながら大変な桑とり作業のお陰で、今年も立派な繭ができたようです。
8月10日、出来上がった繭の仕分け作業が蓬平の集会所で始まりました。
後ろに吊してあるのが、繭の団地である「まぶし」です。
この写真では写っていませんが、回転する枠にはめ込んで使用します。
蚕は上に登って繭を作る習性があるので、上の方に繭がたくさん出来上がると重くなって回転して、繭が均等にまぶしに広がります。
この日は、これまで世話をして下さった集落の方と農舞台スタッフ、こへび隊の方が作業にあたって下さいました。
みなさん、どうもありがとうございました。
集落の方によれば、今年の繭はやや小粒なものの、良質だということです。
今後は乾燥作業に入ります。
5000個の繭のうち、千個は現在、我が家に届けられ、乾燥させているところです。
たくさんの命がこの作業で奪われるので、とても複雑な気持ちです。
でも日本の山村では、昔から(というか、つい最近まで)この営みで暮らしを支えてきました。
養蚕も、野菜づくりも、畜産も林業もすべて、育てた命をいただくという営みです。
今回はアートのために蚕を育てていますが、いのちのこと、人が生きていくということ、我々の祖父母がどのような思いで繭(絹)という宝物を慈しんできたことなどについて思いを馳せる場になればと思っています。
出来上がった繭も大事に活用したいと思います。
乾燥作業が終わると、繭の家に純白の繭がお目見えします。
妻有地方も梅雨明けしました。
いよいよ夏本番です。
昨日は、松代の「観音祭り」の日だったそうです。
確か、2006年の大地の芸術祭のオープニングの前日もこの祭りだったような・・・
作品完成後、芝峠温泉につかってふもとの松代の街を眺めていると、花火がドンドン打ち上がって、思わず祝祭モードになってしまったことをよく覚えています。
あれからちょうど2年経ちました。
今年の蚕は、今は3齢くらいです。
成長の度合いにばらつきがあって、2齢と3齢がまじっているそうです。
成長にばらつきがあると、桑やりや繭を作る際にまぶしにつけてやる作業の期間が長引き、手間がかかります。
蓬平のみなさん、いつも苦労をおかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
写真は2006年のものです。2齢くらいでしょうか。
これだけうじゃうじゃいると気持ち悪いと思われる方もいるでしょうが、実際飼ってみると、おとなしくて、ひたむきで、ぷよぷよしていて、とてもかわいいです。
今年も蓬平で集落の方が中心となって、蚕を飼い始めました。
2006年の養蚕は、繭の家の作品用に1万匹を飼って頂きましたが、今回は来年の芸術祭に向けて、繭を使った関連グッズ制作や会場ディスプレイ、作品の補修等のために5千匹を育てます。
7月1日に、農舞台のO木さんも立ち会いのもと、卵からかえったばかりの蚕に最初のエサを与える「掃きたて」の作業を行いました。
体長3-5ミリほどのまだ黒い蚕の赤ちゃんたち(「けご」といいます)が、20センチ四方の箱の中におよそ5千匹います。
写真では何だかよくわかりませんが、緑色が桑の葉、茶色っぽい細長い物体が蚕(けご)、黒い点が蚕のフンです。
けごたちは、細かくちぎった桑の葉に移動して元気に食べているそうです。
数日もすると、脱皮して白い蚕になります。
8月の「大地の祭り」の頃には、きれいな繭となっていることでしょう。
一生懸命桑を食べて成長している蚕たちの命を最終的に奪うのは、とても切ないものがありますが、こうした痛みを受け止めて、昔から里山の人々は生活を営んできたのです。
糸引きワークショップもこの繭を使用します。
大事に活用したいものです。
また蓬平集落の方が育ててくれている桑の木に立派な桑の実がなりました!
来年「繭の家」の横に植樹される予定で、今から楽しみです。
(以上、現地からO木さんの報告に基づき、お知らせしました)
今回、現地に行くと、すでに繭の乾燥作業は終わっていました。
前の区長さんがちょうどよい乾燥機をもっていたので、それを集会所に運び込み、乾燥作業をしていただきました。
いつもながら作業の重要なタイミングを外して現地に入っいる自分に反省。
集落のみなさんのご苦労には本当に頭が下がります。
これは、繭の毛羽取り機。
繭の周りの毛羽をとりのぞくものです。
集落の方がきれいに保存されていたものをお借りしました。
集落を歩いていると、こどもたちが集まってきて、それぞれが飼っている蚕が繭になったものを見せてくれました。
今回の主目的は、ジオラマの表面を覆う真綿をつくることです。
こへび隊のHさん、Fさん、Tさん、富山のLeeさん夫妻、それと地元のMべえさん、Dさんにお手伝いいただきました。
繭をお湯の中で広げ、木枠に広げます。
きれいに伸びた純白の真綿は、とても美しいです。
(その前の作業では、サナギが顔を出すので、かなり気持ち悪かったですが、みんないつの間にか慣れてきました)
光に透かした真綿。きれいです。
できあがった真綿。プラチナの輝きです。
最後に真綿を干しました。
部屋いっぱいに広げられた真綿の籏は、これまた別の現代アートの作品みたいでした。
最後に記念撮影をして、今回は解散。
みなさん、お疲れ様でした!
蚕たちは、すくすくと育っていました。
先週2.5センチだったのが、もう5センチ近くになっていました。
この日は、ちょうど5齢になる直前の眠の状態でしたが、早いグループは、もう起きていました。
朝5時前に蚕を飼っている集会所に行くと、すでに地元の方が桑やりをしておられました。
ぼくも、ここで桑の葉を枝から裂く作業を一緒にしました。
とは言っても、自分が手伝える日は数えるほどしかなく、骨が折れる蚕の世話のほとんどは村の方頼りというのが本当のところです。
皆さん、有り難うございます
写真は、裂いた桑を束にしたもの。
これをいくつも作りました。
今週の半ばには、こへび隊のO木さんやイノマキさんが現地に入ります。
ようやく蓬平の桑の葉も大きくなり、赤い桑の実も美しくなってきました。
6月4日に集落に蚕が届けられました。
いよいよ養蚕プロジェクトの本番が始まります。
蚕は、集落の方が中心となって、集会所内の作業所で飼っています。
蚕の数量は卵の「グラム」で表します。
今回は、5グラムで、これは約1万匹くらいらしいです。
はっきりいって、ものすごい数で、これからが大変な作業になりそうです。
このような作業を引き受けてくださった集落の方には、頭が下がります。
集会所には、集落の子どもたちも出入りして、この様子を珍しそうに見ています。
近くで見ると、こんな感じです。
この日は、「眠」にはいっており、桑の葉を食べる音の録音はできませんでしたが、首をもちあげてじっとしている様子は、けっこうかわいいです。
駄目な人は駄目でしょうが・・・
蚕が繭を貼るのは、6月末の予定ですが、気温が低めなのでこれより遅れる可能性があります。
今回は、作品の中心をなすジオラマの搬入を行いました。
O-noli氏のアトリエから発送された作品は、無事到着していましたが、梱包を外す作業だけで3時間かかってしまいました。
でも、完璧な梱包のおかげで、作品は完全な状態でした。
O-noli氏の本業の仕事ぶりも、きっとこのようにきちんとしているのだろうと想像されます。
古民家の1階に展示したところ。
本当は、奥の部屋に設置するのですが、この日は集落の方を対象に公開するので、窓のある部屋に置くことにしました。
上記とは反対の方向から。
この向きから光を当てると、蓬平が谷間にあるという地形の特徴がよく分かります。
事前にアナウンスしていたお陰で、集落の方も作品現場に足を運んで下さいました。
自分の住んでいる村の地形を鳥の目で確認できるのは、なかなか面白いとのことでした。
こどもたちもやってきて、床そうじを手伝ってくれました。
なぜか、ぞうきんの取り合いになって、我先に床を拭いてくれました。
とても展示場が賑やかでした。