キヨミさんから1月10日に行われた子供会の鳥追いの写真が送られてきましたので紹介します。
この日は夕方に集会所に集まり、「お楽しみ会」のあと、鳥追いの歌を歌いながら集落内を歩いて回ったそうです。
写真は鳥追いの歌詞です。いい感じですよね。
たしか害鳥を追い払って一年の豊作を祈念するものだったと思います。
私も一度は実際の歌を聴いてみたいです。
昔、つげ義春の「ほんやら洞のべんさん」という漫画があったのですが、
確かあれにも鳥追いが登場しましたね。こうした文化が残っていることは素晴らしいことですね。
下の写真は、集会所に集まった子どもたちです。(これから練り歩くところらしいです。)
11日には集落で歳の神(どんど焼き)がありました。
写真は点火の様子です。最後は皆でするめを焼いたそうです。
雪がすごく深そうですが、こんな感じでするめを焼くと心が温まりそうですね。
今年は雪が少ないと、以前に書きましたが、2ヶ月ぶりの蓬平はすっかり春本番でした。
例年ならこの時期に摘み取るフキノトウの芽が、すでに成長しきって綿毛の種を飛ばしている状態でした。
でも、ウド、ゼンマイ、ワラビなどの山菜は今がピークで、蓬の里には生命が充ち満ちています。
水を張った水田に春の風が吹き渡り、キラキラと反射しています。
田植えは2週間後とのことです。
いつも養蚕作業でお世話になっている君男さんを探しに、蓬の一番下の棚田まで足を伸ばしました。
本当に絵のように美しい新緑に囲まれた棚田で、君男さんは、一人で作業をされていました。
君男さん自身、「濃いのやら、薄いのやら、赤っぽいのやら色々な『緑』が点在するこの時期の山が一番美しい」とおっしゃっていました。
ちなみに君男さんがこの日行っていたのは、除雪で痛んだ棚田の修復作業です。
所有者が高齢となった棚田はこうした作業が難しいので、代わりに君男さんが行っているそうです。
今回の訪問は、LEDが切れてしまったジオラマの修復作業がメインでしたが、この機会にあわせて繭人形「マユビト」の最後の作業指導として、台座の取付作業の確認もしました。
パッケージの色もみなさんと相談して決定し、マユビト生産はいよいよ最終工程に入りつつあります。
また、CDの真綿カバーもほぼ出来上がっていました。
写真は作業の様子ですが、この日、オーストリア人の研究者のスザンネさんが見学に来られていました。
彼女は芸術祭における伝統文化を活用した地域活性化の事例研究をされているそうで、繭の家と、犬伏の中村敬さんの和紙プロジェクトがテーマだそうです。
成果がまとまった暁には、イギリスの学会で発表する予定だと聞きました。
どんな論文になるか、興味深いところです。
また、この日、グッズ作業にあわせて、マユビトのロゴを応募してくれた子供たちへの表彰式を行いました。
ロゴ採用の琴音ちゃんのほかにも、応募してくれた子供たちにもささやかな参加賞をお渡ししました。
なお、繭の家の今年の開館についてですが、5月末をめどに2階の床の補強工事を行う予定なので、一般公開に対応できるのは、6月中頃以降になります。
見学希望者や取材要請に対応できるよう、できるだけ早急に行いたいと考えています。
2月14日、15日と蓬平を訪れましたが、この時期にしては異常なほど雪が少なかったです。
平年であれば2mほどは積もっているはずが、ところどころで地面が露出しており、既にフキノトウが顔を出している始末。
雪は少なければ少ないで、田んぼの水不足など悪影響もあるみたいで、集落の方々も心配顔でした。
明日から少しは雪が降るようなので、それに期待するしかないようです。
さて、今回の現地行きは、ひとつには繭人形「マユビト」づくりの講習会でした。
主にはマグネットタイプの制作確認でしたが、すでに集落のお母さん方はかなり上達されておられ、また楽しんで作って下さっている様子で、有り難かったです。
まだ、一部手直しが必要なものもありましたが、解決できると思います。
皆さんからパッケージデザインなどに積極的な意見も出て、よい雰囲気です。
ちなみにパッケージの絵柄はマユビト図鑑のイメージでデザイン化することになりそうです。
今回の宿泊は、松之山の元三省小学校でした。
2006年に改装されて宿泊所としてオープンしたこの施設は、これまでの学校体育館などでの寝泊まりに比べると天国のように快適なところです。
ベットこそドミトリー形式ですが、全般的に清潔でトイレもウォシュレットです。
写真は食堂の風景。この晩はこへび隊数名のほか、2006年からお世話になっている「ふるへび」の市橋さん、そして団体客30名が宿泊しており、とても賑わっていました。
また、2006年の人気作品「星の木漏れ日プロジェクト」の木村崇人さんも一緒でした(手前の藤色のシャツの人)。
今後はさらに作家やこへび隊の出入りが多くなり、いよいと芸術祭本番の雰囲気になっていきそうです。
ちなみにこの写真は、現在木村さんが制作中の「かざみどり」です。
1週間後の冬のイベント用に、農舞台の正面のカバコフの棚田に設営しています。
たくさんのベニヤの雁が風の向きにきちっと頭を揃えて雪上に群れるという、明快なコンセプトの作品です。
ただ、今年は異常に雪が少なく、地肌があらわになっており、木村さんも困っておられました。
本当に雪が降って欲しいところです。きっと素敵な作品になるでしょう。
11日22日-24日まで繭の家に行ってきました。
今回の越後行きは、グッズの生産者説明会と繭の家の作品の片づけです。
蓬平の里は、前の週に降った雪がまだ残っていました。
すっかり冬景色です。雪景色は、降り始めの頃が一番美しいです。
グッズ生産者説明会は、蓬平の集会所で行いました。
何人集まっていただけるか不安でしたが、7人の方が来て下さいました。
このほか、もう一人興味があると聞いていますので、人数としてはなんとかなりそうな気がしています。
あとは、いかに巧く作って頂けるかが課題となりそうですが、とりあえずこの日はお茶とお菓子をつまみながら、楽しくお話しができました。
実際の生産もこのような雰囲気で進められたらといいなあ思いました。
また、次回の実技講習会については12月13日に決まりました。
写真は、全然関係ないですが、蓬平のとある場所にまつられていた仏さんです。
ずいぶん古いもののようですが、なんともいい表情です。
地元の方が、繭の花を供えられていました。
作品の片づけは、例年の冬季梱包のレベルではなく、本格的なオーバーホールとなりました。
作品C(繭を天井から吊った作品)は、繭が黴びてしまったので、作り直しです。
作品B(蓬平の1/500ジオラマ)も、LEDの球切れと真綿の汚れもあったので、真綿を全てはがし、LEDの配線状態を確認しました。
真綿は持ち帰り、クリーニングします。
(写真は、はがした真綿。2006年に多くの方に手伝って頂いて作ったモノです)
なにせ、当初はその年の夏だけもてばいいと思って制作していましたので、3年後にも展示するとは思っても見ませんでした。
来年の修復の際は、せっかくなので単なる修復ではなく、よりよいものに作り替えようと思っています。
O-noliさん達の苦心の作であるジオラマの特徴をもっと生かすことと、真綿の柔らかさをより強調することに配慮をしたいと考えています。
この時期の雪上には、はらはら落ち葉が降ってきて、まるで図鑑のようです。
細い枝、太い枝、大きな葉、小さな葉、黄色に緑。
あらためてみると、自然の造型って、本当に研ぎ澄まされていて、美しいですね。
4月26・27日に今年初めて繭の家を訪れました。
今回の目的は二つ。
一つは、2008年シーズン開幕に向けて、作品の冬の梱包を解くこと。
もう一つは、蓬平地区の震災復興事業の中に位置づけられた繭の家を今後いかにして集落の活性化につなげていくかを考えるワークショップに参加することです。
さて、作品の梱包を解く作業ですが、これはただ単に開封するだけでなく、場合によっては痛んだ箇所を修復する作業をする必要もあり、気が抜けません。
特に昨年の春は、ネズミに食い荒らされて大変だったので、今回もどきどきでしたが、幸い、作品の状態は良好でした。
いつ予約が入っても対応できるよう、スタンバイさせてきました。
(今年は、夏休みは毎日開館ですが、その他の時期は予約制で公開する予定です。
予約はまつだい農舞台まで。)
写真は、繭の家の前にある小さな桜の木。
この地域は、雪が解けるとともに、梅と桜と桃がいっせいに咲きます。
蓬平の住民を対象としたワークショップは、26日の夜8時から集会所で実施しました。
農舞台のO木さん、復興事業の蓬平代表のWさん、元区長の方々はじめ、20名近くの住民の方が参加してくださいました。
私のほうからは「繭の家の今後の方向」と題して、繭の家を地域づくりに生かすプランについて簡単に説明を行い、住民の方から、これまでの良かった点、悪かった点などについて、活発なご意見をいただき、課題を整理しました。
会合は、島根県桜江町が地域興しで生産している桑製品(桑茶、桑の実ジャムなど)を試食しながら、なごやかに進みました。
6月には、同じ新潟県内で繭を使った工芸で地域興しをしている朝日村を視察することが決まりました。
今回の会合で、特に嬉しかったのは、繭の家の横にある空き地に桑を植える話が正式に議題となったことです。
まだ正式に決まったわけではありませんが、「桑園風景」の復活は養蚕プロジェクトが新しい段階に入ることを意味すると思います。
できれは今年植樹できればいいと願っています。
2009年の第4回の大地の芸術祭では、まだおそらく小さな苗でしかありませんが、これを見たお客さんが、3年後に立派に育った桑が風にそよいている景色を想像し、また足を運んでくれるのではないかと・・・
写真は、その空き地です。
(この場所は、これまではゲートボール場として利用していたようです。)
今後、桑の苗の種類や植え方について、専門家の意見を聞いていくつもりです。
また、5月の連休中に農舞台で実施する「里山アート遊園地」の繭の家ブースに繭人形を展示することになりました。
コカさん制作の展示台も、その際に活用させて頂きます。
さて、いつも思うのですが、この季節の越後妻有は最高です。
雪解けとともにあらゆる生命がそれまでの遅れを取り戻すかのように成長します。
写真のショウジョウバカマもそのひとつ。
薄紫や白、ピンクなどの色の可憐な花弁が里山の林床を彩ります。
藤色のカタクリも綺麗です。
また、田んぼや池では黒サンショウウオが産卵をしていました。
田植えの準備に加え、山菜採りが最盛期を迎えています。
繭の家の大家さんのKさん宅でも、山でとった大量のゼンマイをもみほぐして天日に干す作業に追われていました。
ふきのとうもあちこちで、雑草のごとく一斉に芽吹いています。
ツクシも絨毯のように生えていますが、誰も見向きもしません。
27日のお昼ご飯は、大家さんのKさん宅で山菜料理をいただきました。
いつもKさんの奥さんは、「ありあわせのものしかないよ」と謙遜されますが、とても珍しく、贅沢な郷土料理を出して下さいます。
写真は、ふきのとうの三杯酢、あずきなのごま味噌和え、つりがねにんじんの葉のおひたし、ウドの煮物、野沢菜漬け。このほか、タケノコもいただきました。
とてもおいしかったです。
つりがねにんじんはこの地方以外でも生えているそうですが、
たいていはアクが強くて食用に向きません。
しかし、長い期間雪に埋もれているこの地域では、アクがとれてとてもおいしくなるそうです。
つりがねにんじんに限らず、雪の下に埋もれて生きている野菜は甘みが強くなる傾向があるようです。
3m近くあった雪も、すでにほとんど無くなりました。
春は駆け足で去っていくような気配が漂います。
すぐに短くも暑い夏が訪れるでしょう。
11月25日に今シーズンの空き家作品公開が終了しましたので、12月15日、16日に作品の冬季梱包等をしに久しぶりに繭の家を訪れました。
この日は雪が再び降り始め、一晩で20cmほど積もりました。
すごく大きな牡丹雪です。いちごぐらいの大きさの雪でした。
繭の家の近くに城山という小さな山があり、そこへ至る道を整備するという話があると聞き、日曜には雪が深くなって登れなくなるというので、急遽土曜日に地元のKさんに案内してもらいました。
O木さんも一緒です。
繭の家から歩いて片道10分ほどで頂上まで行ける距離です。
ブナ林に囲まれた尾根筋を登ります。
真っ白なウサギが目の前を駆け抜けていったりして、素敵な冬の散歩道でした。
この城山は、かつて戦の際にのろしをあげる場所だったそうで、展望がよい場所です。
道の両側にそれぞれ棚田の風景がが広がります。
頂上には平場があって、東屋のような建造物がありました。
20年ほど前にKさんたちが整備したそうですが、最近ではあまり人が登らなくなって、道も荒れてしまったようです。
繭の家とうまく関連づけて集落の魅力作りにつなぐことができればいいなあと思います。
繭の家の壁に、先日「繭人形ワークショップ」に参加した小学生からのお礼の手紙や写真が貼られていました。
はがして持って帰ったので、今度コカさんにお見せしましょう。
また、8月以降の来訪者の感想も見ました。
来場者の絶対数は残念ながら少ないのですが、それでも来て下さった方の感触はよかったようです。
当番に入ったお母さん方の応対に感激したという感想が多く、また来たいという方や、リピーターの方も多いようですね。
日曜日は雪もやみ、時折晴れ間もみられました。
掃除をしていると、地元のこどもがやってきて、雪を掘ってかまくら(ほんやら洞)をつくって遊んでいました。
写真は、ゴールスワージー風に雪を放り投げたところです。
積もり初めの雪は、とても滑りやすいのですが、ふかふかで踏み歩くととても気持ちいいです。
3月に訪れたときに作品がネズミにやられていたのを発見したので、今回、再度現地を訪れ、作品の修復及び清掃を行いました。
いよいよ来週のGWから、空き家作品の週末公開が始まります。
ご覧の通り、雪はもう全くありませんでした。
昨年は大雪のせいもあり、この時期でも繭の家の2階から出入りしていたのですが・・・
地元の方も、かなり水不足を心配されていました。
今回は、土曜日に修理、日曜に地元の当番の方への説明会の予定でしたが、私の身内に不幸があり、急遽予定を切り上げ、行き帰りともに夜行列車という強行軍となってしまいました。
コカさんから預かった繭人形をCDと一緒にディスプレーしました。
お陰でとても売り場らしい雰囲気になりました。
今後、農舞台のスタッフと相談していきたいと思います。
(今回は予定を切り上げざるを得なかったので、担当者と話が出来ませんでした)
「繭の家」は、2007年も公開されることになっています。
今シーズンは4月下旬から土日祝日にあけることになっています。
3月24日、25日とひさしぶりに現地を訪れました。
今年はとても雪が少ないです。
去年は4月下旬でも2階の窓から出入りしていましたが、今はご覧の通り、もう地肌が見えています。
今回の主眼は、3ヶ月ぶりの作品の状態チェックでしたが、なんと悲しいかな、ジオラマがネズミの巣になっていました。
また修復するために4月に出直しです。トホホ・・・
おまけに地震の影響で北陸線が運転見合わせとなり、東京経由で帰ることになってしまいました。
このように書くと散々なようですが、集落の方と久しぶりにお会いして、お酒も飲めたし、いつものように区長さんのお宅に泊めてもらって、お母さんの手料理もいただけたし、前の区長さんが植樹するための桑の苗を買ってきてくださったし、こへび隊だったO木さんが農舞台のスタッフとなって元気に働いている姿も見ることが出来て、楽しく過ごせた2日間でもありました。
会期の延長(秋の公開)も11月末で終わり、2006シーズンはいよいよ本当に終わりとなりました。
秋の公開は、夏のにぎわいにくらべると、人出が少なかったようですが、今後の通年オープンに向けて、様々な試みがおこなわれたようです。
野外彫刻とは違って、空き家作品の場合、公開するには管理運営ソフトが必要なので、なかなか難しいのが実情です。
いろいろとクリアすべきハードルが多いですが、個人的にはなんとか2009年の第4回芸術祭(まだ何も決まっていませんが)に向けて「繭の家」を継続させたいと願っています。
さて、12月2-3日は冬支度のために1ヶ月ぶりに繭の家を訪れました。
(蓬平の区長さんのお宅に泊めて頂きました。)
土曜の日中から降っていた雨は夜半に雪に変わり、そのままとんでもない大雪になりました。
妻有ではいよいよまた長い長い雪の季節が始まろうとしています。
(写真は繭の家の進入路をつくってくださる区長さんの奥さん)
思えばこの1年間、本当にいろんな方のお世話になりました。
様々な人を巻き込んでしまい、自分でもつくづく傍迷惑な野郎だと思いつつも、それでもなおどんなものが出来上がるか、それ見たさだけでなんとか前に進んできました。
作品が完成した後も、会期中に予想もしなかった出来事がいろいろ生じて、自分の中の美術感も大きく変わらざるを得ませんでした。
まだまだ妻有には味わい尽くせない魅力が潜んでいるように思います。
これからもあの地域に向き合っていきたいと思います。
昨年の今頃はと言えば、ちょうど繭の家の最初の大掃除をしていた時期でした。
あれから1年たって、妻有はもとの静けさに包まれています。
ただ、昨年と違うことは、繭の家が整備されて、今もなお公開されていることです。
11月4日、5日に会期中運営に当たった「繭の家チーム」で久しぶりに蓬平を訪問しました。
窓から見える山並みは、すっかり紅葉に包まれています。
現在、土日は作品公開をしていますが、夏の会期中ほどには人は来ません。
久しぶりに当番しましたが、ちょうどよいくらいのペースで来場者がありました。
(逆に会期中は、しゃべり疲れてぐったりするほど人が来た・・・)
今の時期、ここに来るお客さんは、首都圏と県内がそれぞれ半々というところ。
初めて来る人よりも会期中見残したと言う人が多く来ていました。
今の時期はとっても空いているので、絶対お得です!
秋になって、会場にはコタツが登場。
TVモニターもちょっと小さくなりました。
夜は、蓬平集落の主だった方と一緒に宴会でした。
みなさん変わらずお元気そうで何よりでした。
今後とも交流を続けていけたらと願っています。
この季節、すでに稲刈りは終わり、しろかきも済みましたが、雪が降る前に野菜の収穫を終えなければいけません。
写真は、繭の家のすぐ裏手の畑での野沢菜の刈り取り風景。
区長さんのご家族が朝から1日かけて収穫しています。
この日の夕方にはこの野沢菜は大きな容器に入れられて塩漬けになりました。
ほかにも里芋の収穫、大根を干す作業に追われていました。
まさに大地とともに、季節とともに生きる生活です。
5月27日、28日と妻有を訪れました。
その様子を2回に分けて報告します。
蓬平の里は、まだほんの少し雪も残っていましたが、連休中より、はっきりと緑が濃くなっているのが分かりました。
作品現場の古民家の前庭にも桑の木がありました。
最近まで雪が残っていたせいで、まだまだ葉が小さいです。
でも、養蚕をしていただける方に伺うと、6月上旬に蚕が届いても大丈夫だろうとのことでした。
さて、前回塗った土壁ですが、剥落もせず、きれいに乾いていました。
但し、もともとあった土壁との色の違いは明白でした。
(もともとあった土壁は、すすけて真っ黒なのです)
というわけで、少々もったいないのですが、新しい土壁を黒っぽく塗ることにしました。
今回、お手伝い頂いたのは、こへび隊のSさんとNさんでした。
普段は、それぞれ経済学と美術を学んでいるというお二人ですが、この両日は、きつくてきたない現場仕事をてきぱきとこなしていただきました。
ありがとうございました。
塗りおえた壁面。(翌日になって、乾いたところ)
思いの外、土壁の吸い込みが激しく、途中で塗料(柿渋、墨等)が底をついてしまい、ちょっと中途半端なまま作業を終えました。
濃淡にムラがあるので、もう一度仕上げ塗りが必要かも知れません。
ただし、室内の蛍光灯を消して、本番と同じように窓の光だけにすると、壁の色ムラは全く肉眼では見えません。
お昼ご飯は、近くの絶景ポイントで。
雪囲い塀用の板は、ちょうどよいベンチ代わりになります。
ここの棚田も大変きれいでした。
田は、水が張られ、小さな苗が植えられていました。
斜面の至る所で、緑が芽吹いていました。
天高く昇ろうとする、ぜんまい。
5月2・3・4日にわたって、古民家の展示空間の整備を行いました。
初日の妻有は、寒かったです。夕方到着時の気温は5度。
翌日搬入される壁土のスペースを確保するため、着いていきなり雪かきをしなければなりませんでした。
本格的な作業は、3日の朝7時半から。
まず、新潟県内の土建屋さんから壁土を搬入してもらいました。
2トントラックいっぱいの土です。(ただし多すぎて余ってしまいました。)
室内作業では、まず枠に「ちりとんぼ」(麻紐を釘で留めたもの。壁の収縮対策)を打ち、石膏ラスボードの壁面に、下地材(プラスター)を塗りつけます。
40平米の壁面に、ひたすら下地+土壁を塗る作業は、大変ハードなものでした。
みんな腕がパンパンになりました。
頃合いを見て古民家のすぐ裏手で、お昼やおやつタイムをとりました。
残雪の棚田がとても美しいところでした。(蓬平集落の隠れた絶景ポイントのひとつです。)
作品C(テグスで吊した繭の連なり)採光用のスリット窓周りの土壁を塗ったところ。
表面は、それらしく藁をまぶしています。
壁ぬり作業は、4日の午前いっぱいかかりました。
時々、となりのおじいちゃんが様子を覗きに来てくれて、ものすごい鏝捌きを披露してくれました。
(みんなで「師匠」とよばせていただきました。)
古民家の外観はこうなっています。
前回まで窓だったところは、細いスリット状の採光窓のみを残し、ふさぎました。
3日、4日と急速に暖かくなり、雪も一気に溶け出しました。
室内内壁はこれでほぼ完成状態です。
細い採光窓を2カ所のみ残しました。
撮影・録音作業も平行して、じっくり行いました。
二人組で集落の各所をまわり、春らしい絵・音を撮りました。
写真は、蓬平集落の雲海の様子。
朝4時半起きした甲斐がありました。
どのような映像が出来上がるか、楽しみです。
最後に春らしい写真を2点。
妻有では、ようやく桜が満開になりつつありました。
これはお弁当を食べた眺望スポットの夕景です。
今回は、本当にたくさんの方にお世話になりました。
みなさん、遠路はるばる有り難うございました。
(ただし、プロジェクトは、これからもまだまだ続きます・・・)
今年初めて妻有に行きました。
前回行ったのは雪が降り始めた12月10日でしたが、その後、ご承知のようにこの地方を記録的な大雪が襲いました。
1月28日時点では、多少落ち着いたとはいえ、まだまだすごい雪の量でした。
街や人のサイズに対して、縮尺が間違っているのではないかと思えるくらいの分厚い雪が、あたり一帯を覆っていました。
写真は蓬平集落。
初日は、現場となる古民家を訪ねましたが、ご覧のような状態でした。
普段の進入路からは入れなかったので、隣のお宅の敷地を伝ってたどり着き、2階の窓から家の中に入りました。
屋根は自然落下型なので雪下ろしは基本的に不要ですが、滑り落ちた雪のせいで玄関の軒先が壊れていました。
2日目は、快晴でした。
いつもはぼくと、こへび隊のOさんの二人で行っている集落訪問ですが、今回は新たに映像のエキスパートのイノマキさんにチームに加わって頂きました。
3人で、蓬平集落の家々をまわりました。
この日は、集落の中で一番最近まで機を織っていたというM兵衛さんの奥さんを訪ねました。
「昔は、ほぼ100%の家が蚕を飼っていたよ」
「蚕は『ぼぼさま』と呼んで、こどものように大切にしていたよ」
「でも、においが苦手だった」
「蚕が桑の葉を食べる音が雨のように聞こえたよ」
コタツに入ってお茶うけの総菜(もちろん自家製)をいただきながら、ご夫婦からそんなお話を伺いました。
奥さんが花嫁の時に着ていたキモノも見せて頂きました。
もちろん、蓬平産の糸で織ったキモノです。
そのほか、生糸や紬もありました。
これは、大箱の展示ケースに組み入れたいなと思いました。
緑色のものは、「わたこ」です。
これは真綿を薄くのばして重ねたもので、肩にかけるとすごく暖かいのです。
M兵衛さんのお宅は、谷間を挟んでちょうど現場の古民家の反対側にありました。
玄関先から、現場が見えます。(一番上の家がそうです。)
日の光が差すと、本当に雪景色が美しく、思わず見とれてしまいましたが、雪国ではそんなのんきなことは言っていられないのが現実です。
また大雪が降らないかどうかが心配です。
地元の方によると、「赤い雪」が降ると、雪も終わりに近づくそうです。
現在の制作状況について、報告します。
1作品の制作
既にお知らせしているとおり、作品Aの大箱を自宅アトリエで制作中。
まぶしを発光させるLEDと音声との調整も、ほぼ技術的な目処がたちました。
作品Bのジオラマベースについては、今後(3月頃?)、O-noli氏のほうで作業を始めていただく予定。
2映像の件
年末にイノマキ氏との打ち合わせを行いました。(コカ氏、O-nol氏も同席i)
作品Cの映像を主としながらも、これに現地で撮影した自然や、過去の養蚕風景、今回の養蚕作業等を織り込みながら、ひとつの映像作品として独立したクオリティの高いものを作っていただきけることになりそうです。
2月に、イノマキ氏と一緒に現地入りする予定です。
3集落との協働
BoBo通信の欄でも書きましたが、冬季を利用して、養蚕経験のあるお年寄りによるワークショップや、集落の各戸にしまわれている養蚕用具の提供について呼びかけていきます。
4グッズ
グッズについては、今後(3月頃?)、各参加作家に対してアイデア照会がある模様。
私個人としては、本体の制作に追われてなかなか本腰を入れられない状況ですが、一度きちんと打ち合わせ(ご相談)をしなければと考えています。
5古民家整備
古民家の整備については、まだ方針の確定は出来ていませんが、工務店発注箇所と、作家側での共同作業等で対応する箇所との整理を春までに行うこととしています。
可能であれば、GW頃に土壁塗りの作業や床塗り(床磨き)作業や、インテリアの仕上げを自力でしたいです。
6養蚕作業
この大雪のせいで、養蚕作業にも影響が出そうです。
積雪量が多いと雪解けが遅れ、桑の発芽も遅れます。
そうなると繭のできあがり時期がずれこみ、会期に間に合わなくなる可能性があります。
ちょっとやばいかも。
7その他
今日、津南町(芸術祭のエリアです)に除雪のため、自衛隊が出動したそうです。
この時期としては、現地のお年寄りでも記憶がないほどの大雪らしく、日常生活にも影響が出ているようで、大変心配です。
今月中頃に一度現地入りしますが、無事行けるかな?
早く寒波が去ることを祈るばかりです。
12月10日、11日と現地入りしました。
峠を一つ越えただけで、そこはもう雪で真っ白でした。写真は蓬平集落。
今回、急遽作業を行うこととなり、家の片づけの続きをしました。
梁の上にあった丸太も下におろし、すっきりしました。屋根組みがよく見えます。
初日、NHKが取材に来ました。3月に放映予定の土曜フォーラムの取材の一環らしいです。
だんだん、この日の夕方から積雪が激しくなりました。
晩に迂闊にも4WDでない車で蓬平に入り、雪のため立ち往生してしまいました。
(写真は、次の日の朝、宿舎前。)
なんと駅前のセブンイレブンが自前のブルをもっていました。
再び蓬平集落。夜の積雪のため、すっかり雪に覆われてしまいました。
美しいです。また、とても静かでした。
作品を展示予定の古民家も、どんどん雪に埋まっていきます。
もう来週には、中にはいることさえできなくなるでしょう。
また春の再会を期して。